【バレー】退団発表のアルテミス・成田郁久美監督「みんながバレーボール選手として成長してくれたのがすごく誇らしい 」、奥山優奈「同じチームと5回戦いました。みんな同じバレーボーラー。よかったっす!」 V3女子
25日 第1試合 倉敷 3(19-25、25-19、19-25、25-23、15-10)2 アルテミス 最終結果:優勝:倉敷アブレイズ 勝利数11 ポイント32 準優勝:アルテミス北海道 勝利数11 ポイント31 「勝った方が優勝」の決戦はフルセットにもつれたが、僅差で倉敷が競り勝ちアルテミスは準優勝に終わった。 攻撃のアルテミス、粘りの倉敷。互いが死力を尽くして戦い、観客を大いに熱狂させた。 おそらくワンシーズンになるであろうV3女子はこの1戦だけでも十分にその存在意義を示した。 試合後には全4チームが揃っての記念撮影。V3女子は有終の美を飾った。 ――成田監督へ。結果は準優勝でしたが、ファンに勇気と感動を伝える素晴らしい試合だったと思います。 成田:戦っているのはリーグ戦ですけれども、今日の試合に関しては「決勝戦」という位置付けだったと思います。 自分が選手の時代も含めて、決勝で負けるというのがやっぱり一番悔しいですね (笑) 3位とか順位決定戦とかそういう試合よりも、決勝戦での敗戦がやっぱり一番辛い。目の前で相手チームが優勝する姿を見るのが悔しかったですし、勝たせてあげたかったという思いがありますね。 勝敗の数を見てもわかる通りチームの力は互角だったと思っています。ただ、今日の試合運びとか勝負所で倉敷さんが素晴らしかった。 でも、このリーグ戦を通してみんながバレーボール選手としても、チームとしてもしっかりと成長してくれたので、すごく誇らしい気持ちがあります。見てくださる方、ファンの方にとってワクワクするようなチームになれたんじゃないかな? そのことには自信を持っていいと思っています。 ――松田主将へ。今季を総括してどのような感想? ●松田莉子主将(ミドルブロッカー) 松田:リーグが始まる前は「シーズンって長いな」と思っていたのですが、始まったらあっという間に終わってしまった感じですね。 最終戦が優勝決定戦、まるでシナリオでもあるかのような結末になりました。 ここで勝ちきれなかったことは本当に悔しいのですが、その中で得たものもたくさんありました。シーズンの頭と比べたらチーム力が全然違うなって自分たちでも思っています。 アルテミスはみんなに自慢できるチームです。 結果は準優勝で終わってしまったんですけれども、それ以上に得たものは大きかったです。結果は受け止めて次に繋げていけたらいいのかなと思います。 ――来季のアルテミスはファンにどういったものを伝えていきたい? 松田:このチームは私たちが作ってきたチームです。設立当初からここまでやってきたものは崩したくないと思っています。 今後リーグがどういう体制になるかわからないですが、さらに格上のチームと戦うことになるのは間違いないと思います。そこで勝ちきれるようなアルテミス北海道を作れたらと思います。 ――小室選手に。何度も手をたたいて、ボールを呼んで奮闘する姿が印象的でした。エースとして、試合の中でどういうことを思ってプレーしていた? 最終セットでは何を考えた? 小室:全員が試合に出られるわけではありません。その中でエースという役割を任せてもらっていました。 ですので「絶対に決めたい」っていう気持ちでやっていました。でも、なかなか決めきれなくて…悔しい気持ちが続くセットも多かったです。 そんな中、みんなが声をかけてくれて。「いいよ、いいよ」と言ってくれて。 最終セットは絶対自分が1点を決めてやる、そういう強い気持ちで戦っていました。どんな1点でもいいから決まったら全力で喜ぼう。そう思って、思いっきり打ち込みました。 ――そういう姿が観客の心を打ったのかもしれません。ラリー中に小室選手の名前を呼ぶファンの声がたくさん会場に響いていました。 小室:期待してくれたのに優勝という形で皆さんに恩返しができなかった。そのことがすごく悔しいです。 でも、皆さんの応援のおかげで最後の最後まで1点を取りに行く強い気持ちで戦うことができました。 ありがとうございました。 ――奥山選手に。この試合、そして改めてこの1年間を振り返って。 奥山:もっと私がチームを勝たせたかったなっていうのもありますし、勝たせることができた試合もあったなって、そう思いますね。 でもそれは後悔じゃなくて、今の自分の力なんだなって。(シーズンが)終わってそう思いました。 今日、結果としては負けてしまったのですけれども、シーズンが始まって心も体も戦う意識も試合を重ねるごとに上がっていきましたから…。 うーん。いや、やっぱり勝ちたかったですけれどもね。 でも、なんていうか…本当に自分たちが今持っている力を出し切れたなとは思いますね。 ――試合後にV3のチーム全員が集合して写真を撮りましたね。感動的な光景でした。 奥山:4チーム5回戦の総当たり。私も初めての経験でした。同じチームと5回当たるなんてことあんまりないじゃないですか(笑) 試合ではライバルとしてバチバチに戦いましたけど、終わったら同じバレーボーラーですね。写真撮影ではみんなでしゃべったり、互いに「イエィ!」とか言ったりして。 (一呼吸おいて) 奥山:よかったっす!(笑)
堀江丈
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