「子ども歌舞伎」が半世紀の歴史に幕 地区の小学校も150周年の節目に閉校 最後の晴れ舞台に挑む子どもたちに密着
■移住者を増やすために手を尽くすも限界が… 40年ほど前から、すでに少子化が問題になっていた田峯地区。若い世代を呼び込もうと地区総出で手を尽くしてきました。自分たちで宅地を造成し一坪2万円と格安で分譲。13世帯が都会からこの地区へ移住しました。 22年前、愛知県江南市から移住した竹下好子さんは4人の子どもをここで育て、少子化を食い止めるのに一役買いました。 (愛知・江南市から移住・竹下好子さん) 「地域の皆さんのあたたかさ、うまいこと褒めながら育ててくれた」 しかし4人全員が成人して設楽町を出ました。止まらない少子化と、その結果である小学校廃校については。 (愛知・江南市から移住・竹下好子さん) 「さみしいっていうのと、子どもがいないと村の繁栄の先がないなと…」 そして今年、もう一つ象徴的な変化がありました。放課後の子どもたちが真剣に取り組んでいるのは「歌舞伎」。元々江戸時代から村歌舞伎が続いてきた田峯地区では、田峯小学校に通う子どもだけで演じる子ども歌舞伎も、地元の伝統になってきました。半世紀続いたこの子ども歌舞伎も、小学校廃校に伴い、今年が最後です。 (歌舞伎を受け継ぐ住民) 「息子がまだ小さいので、できればやらせたいなと思っていたんですけど…」 毎晩練習に打ち込む子どもたち。演目は盗賊5人衆が名乗りを上げる「白波五人男」です。2年生の山下絢子さんもいました。 (2年生・山下絢子さん) 「(Q傘、重たい?)ちょっと重たい。最初は(もっと)わーっって(震えた)」 この演目に欠かせないおおきな傘を持つのも、7歳の絢子さんには一苦労。それでも、一生懸命セリフも覚えます。子どもたちは平日の夜だけでなく、休みの日にも練習。4年生の竹下真央さんは、聞いたこともない言葉に苦戦します。また、授業の合間にも児童たちは集まり、少しでもうまくなるために練習を重ねました。 ■最後の子ども歌舞伎が幕を開ける 迎えた子ども歌舞伎当日。村歌舞伎の奉納には毎年多くの観光客も訪れ、田峯地区が1年で最も活気づく日でもあります。 (豊川市から来た人) 「子ども歌舞伎(を見に来た)。田峯小学校が廃校になると聞いて」
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