「日本が舞台のゲームなのになぜ主役は日本人じゃないのか」アサクリ新作に海外ファンが憤慨している背景
■Wokeに対する反発はつねにある Ubisoft自体は、日本を舞台にしたゲームの主役が日本人ではなく、黒人であることが注目され、批判を浴びる可能性があることを予想していただろうか? 昨今の状況を考えれば、もしそうでなければ驚くべきことだ。Woke的なものに対する反発は、実は何年も前からメディアにつねに存在している。 もっとも、注目を浴びるために論争を利用することは新しいことではない。これについては、2つの有名な言葉が思い浮かぶ。1つは、アメリカの有名な興行師、P.T.バーナムの「悪評も宣伝のうち」という言葉である。そしてもう1つは、著名作家、オスカー・ワイルドのこの言葉だ。「世の中で話題になっていることより悪いことは1つしかない。それは話題になっていないということだ」。
もし今回の炎上が意図されたものだとしたら、ミッションは成功したと言える。少なくとも海外のネット上では、「アサシン クリード シャドウズ」の話題で持ちきりだ。 この種の戦術が採用されたのは今回が初めてではない。 最近では、ディズニーが実写版『リトル・マーメイド』のアリエルを白人女性ではなく黒人女性が演じると発表し、同様の批判を受けた。ディズニーは、この選択が騒動を引き起こし、より多くの注目を集めることを予期していたのだろうか――おそらくそうだろう。
多くの反発はあったが、この映画の興行収入は全世界で5億7000万ドルと、ディズニーにおける実写版としては過去最高を記録した。スターの民族性をめぐる “スキャンダル”が、この数字に貢献したのか、それともマイナスに働いたのか、定かではないが、悪い数字ではないだろう。 ■アジア人役に白人を採用してコケた 映画版『ゴースト・イン・ザ・シェル』は、アジア人キャラクター役に白人女性のスカーレット・ヨハンソンを選んだ。映画製作者たちは、ハリウッドにおける「ホワイトウォッシング(白人以外の役柄に白人を配役すること)について疑問の声が上がったり、SNSで炎上する可能性を考慮しなかったのだろうか。