“中日阪神“との揶揄に配慮?藤原オーナーが阪神OB総会初出席で協力求める
さらに今オフには昨年の清水雅治ヘッド(55)に続き、中日OBの井上一樹(48)が打撃コーチに就任。秋季キャンプでは、中日OBの山本昌・臨時投手コーチ(54)が話題を独占するなど、“中日阪神“と揶揄されるほど、阪神色がどんどん消されていくような流れが顕著になっていた。 さすがにフロントも、その状況を危惧したのか、元監督で球団のテクニカルアドバイザーの和田豊氏(57)の来春2軍キャンプでの臨時コーチ就任が発表された。だが、阪神OBの中からは、「生え抜きがないがしろにされている」との声もあがっており、今回の藤原オーナーの異例のOB会出席には、OB会との距離を縮めて、現状のチームに不信感を抱くOBに理解、協力を求めて伝統を守りたいとの狙いがあるようだ。 OB会はあくまでも任意団体。球団に対する発言力も、そういう機会もないが、藤原オーナーは、すべての関係者が一丸となって優勝を目指すためには、OBの声、伝統の力を無視できないとも考えたようである。 故・星野仙一氏は、阪神監督に就任する際、まず大物OBである田淵氏を入閣させて阪神OBからの不満や批判的な動きが出てチームの足が引っ張られないように“防波堤“にした。 「OBも含めて全員が同じ方向を向かなくては強くなれない」と、星野氏はOB総会に特別参加して協力を訴えた。 同じく阪神の生え抜きではない金本氏の監督就任の際にも、星野氏のアドバイスもあって、球団本部付育成&打撃コーディネイターとしてチームにかかわっていた掛布氏を2軍監督に抜擢し、阪神OBやオールドファンを納得させる体制を作った。 他球団の優秀な指導者の“血“やエッセンスを加えることは非常に重要だが、OBの理解、協力がなければ、チームは爆発的な推進力を失う。藤原オーナーは、中村勝広氏の死去以来、廃止されているGM職の復活を模索しているようだが、その人材は、意外と身近の阪神OBにもいることを再認識する必要もあるのかもしれない。