“中日阪神“との揶揄に配慮?藤原オーナーが阪神OB総会初出席で協力求める
阪神のOB総会が30日、大阪市内のホテルで開催される。OB会長は川藤幸三氏(70)の10年目続投が濃厚だが、藤原崇起オーナー(67)が就任後初出席することが明らかになった。藤原オーナーは、水面下で阪神の監督経験者らと会談を行っておりOBの意見に耳を傾けチーム強化に役立てたいという姿勢を鮮明にしている。鳥谷敬(38)の違和感の残る退団劇や、中日OBの入閣など、阪神生え抜きを軽視する方向性を疑問視する声が一部の阪神OBからあがっているが、伝統を再確認すると共に、不協和音を消し、オール阪神で一丸となり優勝を目指したいとの考えのようだ。
OB会長は川藤氏の10年目再選が濃厚
阪神のOB会長は、“浪速の春団治”こと川藤氏の10年目再選が濃厚。「わしゃあ、もうええやろう」と川藤氏は、後任にバトンタッチしたい意向を伝えていたというが、後任候補である掛布雅之氏(64)、岡田彰布氏(62)らが就任に難色を示しているため、30日のOB総会では、満場一致で、川藤氏が“阪神OBの顔“として10年目のシーズンを迎え、チームをバックアップしていくことになりそうだ。 その阪神のOB総会、懇親会には、矢野燿大監督(50)は、もちろん、球団フロントの幹部も出席するが、今回、藤原オーナーが就任以来、初めて出席することが決まった。坂井信也前オーナー(71)は、2015年に金本知憲氏(50)が新監督に就任した際などにOB会に出席していたが、オーナーの出席は異例だ。 そこには阪神最高トップのOBの意見に耳を傾け、協力を求めたいとの意向がある。 実は、この9月頃から藤原オーナーは、水面下で川藤OB会長は、もとより、吉田義男氏(86)、安藤統男氏(80)という監督経験のある重鎮OBと食事を共にして対話の場を持っていた。 8月下旬には、阪神の功労者である鳥谷の違和感の残る退団騒動が起きた。 問題とされた通告時のフロント幹部と鳥谷との問答は、懇切丁寧で不手際はなかったようだが、鳥谷の受け取り方は、そうではなく、功労者に対して、それまで何の根回しもせずに、いきなり引退を勧告するという手法には、一部の阪神OBから「フロントは何をしているんだ?」と疑問や批判の声が出ていた。 かつて阪神ではエースと4番だった江夏豊氏、田淵幸一氏が次々とトレードでチームから追い出され、岡田氏も、引退、スカウトへの転身を一方的に通告され、それを拒否して自由契約を選択、最後はオリックスでプレーした。功労者の去り際に常に問題を起こしていた阪神の暗黒の歴史を彷彿とさせるような“事件”だった。 当然、一部ファンからのバッシングや、OBからの批判的な声も藤原オーナーに届いていた。 関係者の話によると、それらの重鎮OBとの会談の席では、鳥谷の退団の仕方についての意見や、フロントの問題点、ペナントレース最後の6連勝の猛ダッシュでクライマックスシリーズ進出は果たしたものの14年も優勝から遠ざかっている現状を来季以降にどう打破すればいいのか、など多岐にわたって忌憚のない意見を求めたという。守るべき阪神の歴史や、過去の失敗を知る先人の貴重な意見である。