大の女好きだけど…『シティーハンター』冴羽獠が「男を守った」レアエピソード
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で1985年から連載された、北条司氏の名作『シティーハンター』。令和の今でも劇場版が公開されるなど、ジャンプを代表する人気作品のひとつだ。 ■【画像】「ここまでそっくりとは!」パリ五輪で話題となった冴羽獠の射撃の構え■ 本作の主人公・冴羽獠は大の女好きである。表の社会では片付けられないような問題を解決する“スイーパー”として、依頼人の美女を守り続ける。相棒の槇村香に何度も100トンハンマーを食らわせられながらも、一向に女好きはやめられない。 まあ、それも獠の魅力的な一面なのだが……。ただ、そんな彼にも実は男性からの依頼を引き受けたり、時には守ったりするシーンもあった。今回は彼のそんな意外な一面を振り返ってみよう。
■心がふるえたときに依頼を受ける! 健気な少女のためには男も守っちゃう「待ち続ける少女の巻」
普段は女好きでお調子者の獠だが、依頼を引き受けるのは誰でも良い訳ではなく、“依頼主の心がオレの心をふるわせた時”という信念を持っている。 第19話の「待ちつづける少女の巻」にて。依頼をしてきたのは萩尾という冴えない男で、大物政治家・天地の元運転手である。彼は天地が起こしたひき逃げ事故の罪を着せられ、表向き死んだことになっていた。 だが、父親を忘れられない娘はいつも公園で萩尾の帰りを健気に待っており、おまけにそれを一年間欠かすことなく続けているという。泣きそうになる設定だ。萩尾は獠に自分をもう一度殺してほしいと伝え、死を偽装して天地の目を欺き、娘と静かに暮らしたいと訴える。 萩尾はまだ天地に監視されており、娘と会うことができない。そんな状況で、彼は「お願いだ 冴羽さん!! わたしにあの娘を抱かせてくれ!!」と魂の叫びで獠に依頼する。 そこへなんと騒ぎを見ていた娘が登場し、「おじさん……あたしとどこかで会ってない?」と萩尾に聞くのだが、体を震わせて「い…や しらないよ」と答えるしかないのが切ない。 その後、パパは今日来るのかい?という獠の質問に対し、今日じゃなくてもいつかくるはずと言い切る娘に、獠は「きっとくるさ」と優しく諭す。彼女の健気な姿に“心がふるえた”獠は、依頼を引き受けようと決意するのだった。 萩尾は実は演技がけっこう上手く、作戦のため天地の秘書を脅すシーンなどはなかなかのものだった。香と女子高生のさやかとのいがみ合いも面白く、見どころ満載のエピソードだ。