看板メニューのトウガンそばは「食べるサウナ」 名産地の宮古島 噴き出す汗に着替えを持参する常連客も
[胃心地いいね](805)ちえちゃんそば 宮古島市平良下里1154-10 1階 食べ進めると大量の汗が出る。宮古島市の文教通りに2020年にオープンした「ちえちゃんそば」の「とうがんそば」(800円、大盛り900円)は、東京都出身の店長、江川千絵さん(48)が「食べるサウナ」と称する看板メニューだ。客が汗をかいているのを見て初めて、発汗作用があることに気付いた。着替えを持参する常連客もいるという。 【写真】トウガンを手にする「ちえちゃんそば」店長の江川千絵さん 自身はおろしそばが好きだが、宮古島では大根の値段が高い。代わりに年中出回って安価なトウガンを使ったそばを考案した。 昆布、かつお節、鶏、豚の煮汁にトウガンの汁を合わせたスープは、ゆずこしょうや辛みそを溶かした時に全部飲み干せるよう想定して優しい味に仕上げた。開業時から改良を重ね「今が最高」と胸を張る。 宮古島の三大製麺所の一つ「ハワイ製麺所」のもちもちした麺を使い、細かくほろほろのトウガンの実、平かまぼこ、三枚肉、車麸の輪切り、ネギをのせる。 トウガン拠点産地の宮古島市民にも「こんな食べ方をしたことはない」と驚かれ、客が店の前にトウガンを差し入れに置いていくこともあるという。 スープが残ったら、食材の余りで作った自慢の「じゅーしー」(150円、半じゅーしー100円)を加えてボロボロジューシー風にするのもお薦めだ。 他にレギュラーメニューは「とうがん卵とじそば」(850円)と「冷やし冬瓜(とうがん)まぜそば」(900円)=それぞれ大盛り100円増し。12月には、ジューシーとだし巻き卵の風変わりなオムライスが加わる。 夏場は観光客が多く、地元客は遠慮がちだ。「秋になったら地元の人に思い出してもらえる店になりたい」と謙虚に笑った。 (宮古支局・當山学) 【お店データ】営業時間は午前11時半~午後3時半ごろまで。月・火・金曜日定休。23席。駐車場10台。電話070(4216)1684