【特集】「妻は認知症」 “認知症カフェ”で見つけた居場所 夫婦の日常から見えてきた必要なサポートとは 《新潟》
医師は
これまで認知症の治療にあたってきたみどり病院の成瀬聡院長は、早期発見、そして進行を遅らせるために、孤立させないことが重要だと指摘します。 みどり病院・成瀬院長 「他者との交流が大事。一人でいると刺激がないので認知症が進んでしまう。いまは治すというよりは、認知症があってもなくても普通に暮らしていけるような社会を作ることが重要。それは、医療だけではやれない。介護だけでもやれない。家族だけで診るのも大変。そういう人たちが連携しながら見ることが大事」
「認知症カフェ」のメンバーとお花見会へ 取り戻す笑顔
そこで…… 夫の浩さんは積極的に秋江さんを連れ出すようになりました。 そのときに出会ったのが認知症カフェ「オレンジカフェしもまち」です。 この日は近くの公園でお花見をします。二人の会話にも花が咲きます。 妻・秋江さん 「楽しいです。おいしいし。おせんべいもお団子もいただきました。むしゃむしゃと」 ふさぎがちだった秋江さんも、認知症カフェに通うようになり次第に笑顔が戻ってきました。
人生の最後を考えるゲーム 妻の願いとは……?
認知症カフェでは毎回特別講師を招き、病気や人生について考える時間を設けています。 この日は理学療法士によるセミナーです。 余命半年になったとき何を大切にしたいか選んでいくゲームです。 「意識がはっきりしている」や「いい人生だったと思える」など様々なカードの中から、秋江さんが最後まで残した一枚は……「家族と一緒に過ごす」でした。 妻・秋江さん 「お世話になりっぱなしできっといくと思うので、ありがとうと言って逝くこと。そのときに周りにいてくれる人がいるといい」 症状が進行しても最後まで感謝の気持ちを持ち続けたい……秋江さんの願いです。
難病を抱えた夫 尽きない不安も……
ことし81歳になった浩さんです。 右足に難病があり、いつまで家事を続けられるかーこれからも妻を連れて出かけることができるのかーといった不安は尽きません。 夫・浩さん 「いまのままで続くならいいが、私が何もできなくなったら、この生活は維持できないわけだから、それがどうしたらいいのか」 妻・秋江さん 「自分自身が認知症なんだということは分かってはいる。よろしくお願いします。頼りにしてます」 手を取り合いあしたも明るく前を向いて過ごしていくためにー 認知症を理解し、寄り添ってくれる家族や周囲のサポートが欠かせません。