G20欠席、代理は外相 プーチン氏の孤立回避 ロシア
ロシア外務省高官は12日、ブラジルで18日から開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)について、ラブロフ外相が代理出席すると通信アプリ「テレグラム」で発表した。 プーチン大統領は10月の記者会見で、G20サミット不参加の意向を既に示していたが、最終決定したことになる。 プーチン政権は近年、影響力を発揮できる国際舞台としてG20を重視してきたが、ウクライナ侵攻を開始した2022年以降、対面出席を見送っている。G20メンバーの西側諸国の対ロ制裁と非難の中、孤立が露呈するのを避ける狙いがあるとみられる。 最近では西側諸国を含まない新興国グループ「BRICS」に軸足を移し、10月に中部カザンで首脳会議を開催。新興・途上国「グローバルサウス」も巻き込んだ「ロシア主導のサミット」を内外に誇示しており、G20を相対化する思惑が見え隠れする。 プーチン氏には、ウクライナの子供連れ去りを巡る「戦争犯罪」容疑で国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状が出ている。ブラジルはICC加盟国。プーチン氏は2国間合意が存在すれば、拘束される事態を「非常に簡単に回避できる」と主張しているが、身の安全を最優先させた可能性もありそうだ。 10月の記者会見では、自身がG20サミット参加のために渡航した場合、友好国である議長国ブラジルによる「正常な開催を妨げる」と発言。逮捕状が欠席の要因の一つだと認めた。 プーチン氏は今月6日、ペルーで15日から開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に、オベルチュク副首相を派遣することも決定した。侵攻開始後、APECにはトップ自ら足を運んでおらず、3年連続の代理出席。ペスコフ大統領報道官は「孤立していない」と主張するが、存在感に陰りが見えていることは否めない。