友人が教えてくれた、自分を大切にするたった1つのコツ【パリで学んだ生きやすさのヒント】
極度の人見知りだった私の人生を180度ひっくり返してくれたのが、20代後半からのパリ暮らしでした。東京でPR会社を起業して全国で仕事をする「今」につながる出会いの数々。本連載「パリで見つけた生きやすさのヒント」では、パリでたくさんの人や出来事から教わった、気持ちが少し楽になる生きやすさのヒントをご紹介。 -------------- Sois heureuse. (ソワ・ズールーズ) 幸せでいて。パリを離れる時、しばらく一緒に暮らした友人がかけてくれた言葉です。私にとってはあまり聞きなじみのないフランス語でしたが、つらいとき、悲しい時、必ず思い出すフレーズです。 <写真>友人が教えてくれた、自分を大切にするたった1つのコツ【パリで学んだ生きやすさのヒント】 そのときくれたカードには、あなたはたったひとつのかけがえのない宝物、ほかにかえがきかない存在なことを忘れないで、と書いてありました。言いたいことをすぐに我慢する、控えめすぎるミキが心配。ずっとそばにいて励ましてあげたいけど、私たちは別々の場所で、道で、頑張っていかなくちゃいけない。だから、約束してね。自分で自分を幸せにするって。そしたら、私は安心できる。大好きな人が世界のどこかで幸せに過ごしているって信じられるから。 彼女が使った「sois(ソワ)」は、フランス語のbe動詞にあたる「être(エートル / ~である)」の命令形。普段は「~でありなさい」という時に使いますが、ただひたすらに私の幸せを願う、友人の強い思いがこもった言葉は、私にとって世界で一番やさしい命令でした。 仕事に、勉強に、日々のあらゆることで頑張ろうとすると、いつの間にか、人のことばかり気にしたり、セルフケアが後回しになったりすることがある気がします。そんな時は、自分を思ってくれる「誰か」のために私自身を大切にしてみる…そんな風に考えられたら素敵だなと思います。当時の私にはまったくない発想でしたが、友人が贈ってくれた言葉をきっかけに少しずつ意識できるようになりました。 自分で、自分を幸せにする。それはワガママではなくて、あなたを大切に思う人の願いでもあるということ。そう考えるだけで、ほんの少し、毎日の暮らしへの視点が変わってくる気がしませんか。 文/MIKI 古美術商の家に生まれる。極度の人見知りだったが、20代後半からのパリ暮らしで人生観が変化。フランス語を学び、社会人研修生として過ごした国際学園都市での出会いを通して、コミュニケーションの大切さに目覚める。帰国後PRの世界に入り、世界最大級の水族館や地球温暖化防止プロジェクトなどに携わった後、2011年に起業。PRコンサルティングやブランディング、執筆を行う。現在地は、東京、沖縄、ときどきパリ。
MIKI