モテモテの4階級王者井岡一翔が大晦日の先に選ぶ相手とは? 統一戦最優先方針も「対戦可能性がないわけではない」
大晦日に開催されるプロボクシングのトリプル世界戦(大田区総合体育館)の調印式並びにフェイスオフイベントが25日、羽田空港国際ターミナルの「江戸舞台」で女子の世界戦の挑戦者を除く5選手が出席して行われた。日本人初の4階級制覇王者のWBO世界スーパーバンタム級王者、井岡一翔(30、Reason大貴)は、同級1位、ジェイビエール・シントロン(24、プエルトリコ)を目の前に「勝つための準備をしてきた」と勝利宣言。指名試合をクリアすれば、ビッグマッチ構想が目白押しで、この日、とんぼ帰りでイベントに参加したWBO世界フライ級王者、田中恒成(24、畑中)との日本人対決をWBOの会長が熱望、1年3か月ぶりの復帰戦を日本でTKOで飾った元4階級制覇王者のローマン・ゴンサレス(32、プエルトリコ)が対戦を要望するなどモテモテ状態。井岡の心は「統一戦最優先」だが、「対戦の可能性がないわけではない」と要望を受け入れる考えもあることを明かした。
パパとして「家族を背負う」
羽田空港国際ターミナル4階にある飲食店や土産物屋のフロアで開催された異色イベント。大きな告知がなかったせいか、お客さんもまばらで集客の面では厳しかったがボクシング界を盛り上げるために何かを仕掛けようというチャレンジ精神は評価されてしかるべきだろう。「江戸舞台」という和装の舞台での調印式とフェイスオフ。2人の元世界王者、内山高志氏と内藤大助氏の試合予想で、場を温めて、WBO女子世界スーパーフライ級王者の吉田実代(31、EBISU K's BOX)が4歳になる可愛い娘さんを連れて登場。WBO世界フライ級王者の田中は、滞在時間数時間のとんぼ帰りで名古屋から参加し、トリを務めたのが、この20日に約2か月間の米国合宿から帰国したばかりの井岡と挑戦者のシントロンの2人だ。 「大晦日に向けてベストで挑めるようにコンディションを整えている。米国ではスパーリング中心に勝つための準備をしてきた。今年最後に熱い試合、締めくくるような試合をしたい」 日本人初の4階級制覇の偉業を達成した井岡がそう言えば、挑戦者のシントロンも、「体調万全。世界を獲るために初めて日本にやってきた」と応戦した。マッチメイカーで通訳を務めたジョー小泉氏によると、シントロンとはスペイン語で「チャンピオンベルト」という意味だそうである。 フェイスオフは、約25秒。 サウスポーの挑戦者は身長で上回っていた。 「映像で見ていた彼と同じ。とくにイメージした彼と変わったところはない」 それでも井岡は、5月と8月と2度、江藤光喜(31、白井・具志堅)と対戦、リマッチを判定で乗り越えてきたランキング1位の最強挑戦者を「ここまでの戦い方を研究して試合に向けて策を練ってきた。五輪に2大会出ている選手。プロでも負けがない素晴らしい選手。初防衛戦で対戦できるのはすごく楽しみに思っている」とリスペクトした。 元モデルの女性と再婚、8月には長男が生まれた。 「名前は、まなと。切磋琢磨の磨に、永遠の永、そして僕の名前からとって翔。それで磨永翔です」 今回はトランクスのベルトに、その名を刻む予定で「息子の名をトランクスに入れて戦う。より一層気も引き締まる。家族も背負って戦う気で挑みたい」と決意を語った。