千葉雄大 最近の悩みは「話が広がらないこと」飾らない人柄で炸裂する本音トークを聞く
――田中さんからは原稿チェックのときに「優しい直しが来た」とお聞きしましたが、どういった内容だったんでしょうか。 千葉:僕は言葉が強いから、「このまま載せたらちょっとネガティブにとらえられてしまうんじゃないか」みたいな心配のチェックが入りました。本当、その通りで、けっこう文字にすると怖い印象になりがちで。 それに、編集の方にもよく言われるんですよ。「千葉さんの受け答えって、正論すぎて話が広がらないときがあるって」。たとえば、「無人島に何を持っていく?」って聞かれたら食い気味で「眼鏡」って答えちゃって終わり、みたいな。 ほら、「携帯電話」とか答えたら、「電波通じなくないですか?」とか「それでもお守りみたいな写真が入ってるんです!」みたいに話が広げられるじゃないですか。でも「眼鏡」って言われたら、「あ、うん……」って終わっちゃうって。たしかにそういうところあるなって。 ――それでいうと、「最後の晩餐」がトークテーマのとき「寿司」で終わっていましたよね。 千葉:あははは。そうだった! ――「正論すぎて広がらない」と言われて反省した今、改めて「最後の晩餐は?」になんて答えますか? 千葉:お母さんの料理です! 「お母さん、お料理何が得意なんですか?」とか広がるじゃないですか。 ――たしかに、広がりますね! 千葉:僕個人としてはそうやって頑張っていこうっていうモチベーションはあるんですけどね、本音としては「そういう質問しないで」って思ってる……って、ほら、またこうやってインタビューの記事として文字になっちゃうとすごく冷たく怖く感じられちゃいますよね。 だから、もう僕の発言の最後に全部「☆」とか変な絵文字みたいなのをつけてほしいんですよ。あるじゃないですか(ピース&ウインクしながら)「キュピーン」とか「チュッ」みたいなやつ。もしついてなくても、脳内で補完しながら読んでくれないかなっていつも思っています。 ――(笑)。この6年を振り返っても「変わっていない」とおっしゃっていましたが、仕事やプライベートで大事にしていることはありますか? 千葉:楽に生きるために、一生懸命やってるんです。そりゃ、生きてりゃそれなりにムラがありますから。すっごい自信がある日があったとしても、どうしようもなく自信がない1日があったりするじゃないですか。そういうのも受け入れつつ、楽に生きられるように頑張っています。 だからね、この連載も「なんかやろう」とは思ってないんです……ん? 言い方が難しいな。なんていうかキャッチーなこととか、無理にテンション上げて頑張るみたいなことは、私はいたしません! こんなスタンスで続けてもいいと言ってもらえる限り、続けさせてもらえたらなっていう感じです。 ――そうした千葉さんのスタンスに共感される方も、この本を通じて増えていくような気がします。 千葉:ふふふ。なので、読む方も本当に気楽に読んでもらえたらいいなって。僕、ひとりでご飯を食べるのが寂しすぎて苦痛なときがあったんですよ。そういうときとかに読んでもらえたらいいなって。だから、食堂とかラーメン屋さんとかにも置いてほしい。それで、染みだらけで、もうご飯の匂いがするくらいにしてもらえたらいいなって。 基本的なテンションはヒソヒソトークではあるんですけど、すべての人類に読んでほしいっていう思いもあって。矛盾してますよね。見られるのは恥ずかしい、けど売れたいから(笑)。売れたい、売れたい、売れたい☆ キュピーン!
佐藤結衣