千葉ジェッツを強豪チームたらしめた池内勇太GMの理知と情熱(後編)「今シーズンの目標は獲れるタイトルを全部獲ること」
シーズンが終わったときにみんなで笑いたい
──こうやってお話をうかがっていると、池内GMはGMの領域の外にも意識を向けられているのがよくわかります。 1つの会社を動かしているような感覚はあるかもしれません。特にチーム側に関わるセクションは、全部自分でまとめているという感じなので。チームスタッフの組織図を作って、それぞれに「あなたの役割はこれだよ」という意識を持たせて、それぞれが私と同じような目を持ってマネジメントをしたり、ブレイクダウンさせるというやり方が、今は結果的にうまくいってると思いますね。 「ヘッドコーチやGMがいなくなったらチームが終わりました」なんてことには絶対にしたくないので、どんどん他のメンバーに権限を渡して、意思決定をさせています。今は、誰が抜けてもベーシックなものが変わらない組織にするために、スタンダードをどんどん上げていこうというフェーズです。 ──あらためて、やり甲斐のある仕事ですね。 やり甲斐、めちゃくちゃありますね。想像できないことが起こって、いろいろな感情が芽生えて、それをどう乗り越えていくかを考えて行動する。そしてそれを乗り越えて結果として表れた時に、選手やスタッフが良い顔をして「良かったね」って言い合える。それがこの仕事の醍醐味というか、本当に1番楽しいところだなと思います。 ──ズバリ、今シーズンの目標を教えて下さい。 選手たちとは「Bリーグのチャンピオンを筆頭に、日本で獲れるタイトルは全部獲ろう」と話しています。天皇杯は2018-19シーズン以来の3連覇がかかってますし、Bリーグチャンピオンにもなって、FIBAが主催する『バスケットボール チャンピオンズリーグ アジア』でもトップを獲る。かなり高い目標ではあるんですが、今シーズンはそれを共通言語にしているので、上しか見ず、みんなで頑張っていければなと思っています。 ──そのような結果を得るまでのプロセスについてはどのようにお考えですか? ヘッドコーチ(トレヴァー・グリーソン)が「私たちはブラザーでありファミリーだから、コートに立っている5人が助け合いながらプレーしよう」とよく言うんですが、それはチーム全体でも同じ。うまくいかない時にはネガティブになったり下を向くこともあると思いますが、チームで課題を解決して、目標にひたすらにフォーカスしてやっていければいいなと思っています。ジェッツはウイニングカルチャーを築き上げて来られているチームだと思っていますが、もっともっとブレない強いものを今シーズンで作り上げていきたい。「絶対勝つ」という気持ちでやっていきたいです。 ──最後にブースターの方々にメッセージをお願いします。 今シーズンは今までで「1番良かった」と言えるシーズンに必ずするためにチーム一丸、ジェッツ一丸で頑張っていきます。ただ、それはブースターの皆さんのサポートがないと絶対に達成できないと思っています。ジェッツファミリー一丸で最高の景色を作り上げて、最後にみんなで「良かったね」と笑えるシーズンにできればいいなと思っています。
青木美帆