「地獄のような苦痛を伝えたい」…知床観光船事故の民事訴訟、原告13人が心境語る異例の法廷に
一方、被告側は「運輸安全委員会の見解をそのまま追認することは許されない」としており、今後の審理では、「沈没の経緯と原因」を含む事実関係が徹底的に争われる可能性が高い。桂田被告個人の賠償責任についても、「桂田社長が事故を予見するのは困難だった」などとして争う方針だ。
◆観光船「KAZU I(カズワン)」沈没事故=2022年4月23日午後1時20分過ぎ、カズワンが「カシュニの滝」付近で沈没し、乗客24人のうち18人と船長、甲板員の計20人が死亡、乗客6人が行方不明となった(後に家族が死亡届を提出)。当日は早朝から強風・波浪注意報が出ており、釧路地検は今年10月、「天候悪化に伴う死傷事故を予見し、運航を中止させるべきだった」とする業務上過失致死罪で桂田被告を起訴した。