『教祖の作りかた』著者、真梨幸子さんインタビュー。「予想できない書き方が、私には合っている」
前の伏線が自然にどんどんつながっていく不思議さ。
さまざまな登場人物たちの視点から一つの事件を眺め、真相を見極めようと私たち読み手も没入するうちに、思わぬ場所へと連れて来られていることに気づく。 「連載中にテレビや動画から入ってくる情報を、私はすぐ取り入れてしまうんです。でも、さまざまなエピソードや情報を世の中から持ってきて自分の作品に落とし込むには、話をきちんと着地させなくてはいけない。そのときに、前の伏線が自然とどんどん繋がっていくのが自分でもびっくりでした」 それまで語られてきた多くの謎や情報が、まるで最初から決まっていたかのように、最終章ですとんと揺るぎない世界に落ちていく。その不思議さ。二度読み必至のおもしろさだが、寝る前に手に取ることはおすすめしない。あっという間に朝を迎えてしまうから。
撮影・幸喜ひかり 文・中條裕子
『クロワッサン』1124号より
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