オリックス・吉田が1球で移籍後初勝利 「練習では1球もストライクに入ってなかったんですけど」
◇パ・リーグ オリックス5-3ロッテ(2024年6月29日 ZOZOマリン) オリックス・吉田が移籍後初勝利を1球で飾った。同点の9回2死一、三塁のサヨナラの危機でマウンドへ。オフから磨きをかけてきた渾身(こんしん)のシュートで、荻野を三ゴロに打ち取った。 「ピッチング練習では1球もストライクに入ってなかったんですけど、1球で決められてよかった」 昨オフにトレードで日本ハムから加入。古巣時代を知る同じ秋田出身の中嶋監督には移籍決定直後に体重移動について直接指導され、新天地での飛躍を期待された。先月25日に2軍再調整になった際も「全8、9種くらいある球種をバッターによって配球できた方が、真っすぐが悪くても抑える確率が上がる」と課題を伝えられた。 捕手出身ならではの助言。「自分で組み立てをすることが今まであんまりなかった」という従来から意識を変革。フォークに偏っていた昨季までの配球から幅を広げ、再昇格した今月4日から10試合連続無失点へ伸びた。 「今みたいな組み立てができること自体、自分からしたら信じられない。初球にシュートから入るなんてキャンプで練習していたときはあり得ないし、そういう投げ方とか、色々メンタルの持ち方とか教えてくれた人がたくさんいるんで。そういう人に感謝したい」 12勝10敗で今季初の月間勝ち越しを決め、4位に浮上。中嶋監督にも「今のボールでしたら自信を持って投げてくれると思います」と認められた。「リリーフでやっているんで、次の投手につなぐ意識でやっている。うれしいですけど、あんまり浸らないようにしたい」。日本ハム時代の22年8月31日西武戦以来、668日ぶりの白星は、通過点に過ぎない。(阪井 日向) ○…吉田(オ)が投球数1球で勝利。1球勝利は昨年6月18日阪神戦の大津(ソ)以来プロ野球48人、49度目。球団では09年8月25日日本ハム戦の清水章夫以来15年ぶり2人目。