猫からの「助けて」サイン? いつもと違う動きから推測できる「猫の不調」を獣医師が解説
愛猫の動き方がふだんとなんとなく違うと感じたら、それは体調不良のときに見せる「助けて」サインかもしれません。今回は、いつも違う動きから推測される猫の体の不調について、獣医師の小林清香先生にお話を伺いました。 【写真】何かを訴えかけるような表情で鳴く猫
隠れて出てこない、ほとんど動かない
愛猫が隠れて出てこなかったり、ほとんど動かなかったりするときは、何らかの痛みや不調を抱えているのかもしれません。とても怖い体験をして恐怖心から隠れる場合もあれば、病気やケガによる痛みや不調を抱えて隠れることも。 この場合、無理に引っ張り出そうとせず、隠れ場所の近くにフードと水、猫トイレを用意してそっと見守りましょう。丸1日以上飲食・排泄していない場合や、数日たっても隠れている場合は、念のために受診を。症状がほとんど出ていなくても、これらの活動性の変化から、心臓や呼吸器の病気が見つかることもあります。
フラフラと歩く
猫がフラフラと歩く場合は、足や骨盤・腰などの不調のほか、心臓や脳の病気の疑いがあるため、すぐに受診を。心臓病のなかでも肥大型心筋症を患っている猫は、心臓でできた血栓が後ろ足へ分布する動脈に詰まり、激しく痛がったあとに、後ろ足が麻痺することも。足が麻痺していたらなるべく動かさずに至急受診してください。
足を引きずって歩く
猫が足を引きずっていたら、血栓症や神経系の病気により足が麻痺している可能性があるため、すぐに受診しましょう。足を浮かせていたら、肉球や爪のケガ、関節炎、脊髄や骨の腫瘍などで足・腰のどこかに痛みが生じていると考えられます。猫は強い痛みがあっても、我慢をして平静を装うことがあるので、少しでもおかしいと感じたら早めに受診しましょう。
攻撃的になる
新しい猫を迎えたり、引っ越しによる環境の変化などがあったりして大きなストレスを抱えると、急に攻撃的になることがあります。また、一時的な恐怖体験や中枢神経の発作がきっかけとなり、攻撃的になることも。 ほかにも、甲状腺機能亢進症の症状のひとつとして攻撃的になる猫もいます。愛猫の性格が変わったように感じたら、一度動物病院で相談しましょう。なお、受診する際は動画が重要な判断材料になるので、「おかしいな」と感じたら、愛猫の様子を動画に撮るのも有効です。 愛猫の些細な動きの変化を見逃さず、異変があれば動物病院を受診しましょう。 お話を伺った先生/小林佳香先生(モノカ動物病院院長) 参考/「ねこのきもち」2022年6月号『飼い主さんの気付きが、早期発見につながる 「愛猫が何だか急に…」その変化は、病気のサインかも? 』 文/小林けい ※記事と写真に関連性がない場合もあります。
ねこのきもちWeb編集室