ピーマンを切ったら、種が黒かった…食べられる?管理栄養士が回答
買ってきたピーマンを料理しようと包丁で切ってみたら、中の種が黒くなっていてどきりとした!そんな経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。「なんとなく食べるのはまずそうだ」という理由だけで、捨ててしまってはもったいない! 本記事では、ピーマンが持つ自然の仕組みと、正しい対処法について説明します。ピーマンの保存についても紹介しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。 〈写真〉ピーマンを切ったら、種が黒かった…食べられる? ■ピーマンは中から劣化していく ピーマンの種が黒くなる、この現象は決して珍しいことではないのです。ピーマンは鮮度が落ちると、切り口から水分が蒸発し、中の種から劣化していきます。種は劣化するにつれ、黒変していきます。白色から茶色、最後は黒色になるのです。つまりは、種が黒い状態というのは、鮮度が落ちているということです。 ■種が黒くても食べられることが多い そのため、種が黒くてもそれは鮮度が落ちているだけで、ピーマンの実は食べられる状態であることが多くあります。黒い種を見つけても、実を観察して異常がなければ、問題ありません。種とワタと取り除いて、普段通りに調理してお召し上がりください。 ただし、鮮度が落ちていることは事実。同時においしさも落ち始めているということですから、そのピーマンは早めに調理することをおすすめします。 ■実自体にも異常がある場合は食べられない 種が黒いだけでなく、ピーマンの実そのものに異常が見られたら腐敗しているため、食べられません。 ■■腐敗しているピーマンに見られる特徴 ・ブヨブヨして柔らかい箇所がある ・酸味が強い臭いがする ・汁が出ている ・カビが生えている ・全体にぬめりがある 上記のような腐敗した状態を食べると、私たちの体にとっては有害な物質を取り入れることになります。体調不良を引き起こす原因になりかねないので、くれぐれも「もったいないから」と言って、食べないようにご注意ください。 ■家庭でのピーマンの保存法 保存の最適温度は7~10度、最適湿度は95~98%です。そのため、冷蔵保存がおすすめです。家庭用冷蔵庫の野菜室(一般的に温度は3~8℃、湿度は20~50%で設定)と比べると、温度はちょうど良いですが、湿度は高めです。 私の経験では、袋のまま冷蔵保存で1週間程度は持ちます。それ以上の場合は、袋から取り出しキッチンペーパーで包むと2~3週間は保存できます。こうすることで、水分が外に逃げず、鮮度が保たれやすくなります。 ■まとめ ピーマンの食べ頃について一言でまとめると「種ではなく、実を見て判断する」ということ。ちょっとした知識ですが、ピーマンは身近な野菜だからこそ、いつ役立つかわからないものです。そして、SDGs・食品ロスを減らす観点からも、野菜を捨てる正しい見極めは大切なスキルです。ぜひ覚えておいてくださいね。 参考資料 ・独立行政法人 農畜産業振興機構 野菜ブック「ピーマン」 ・農研機構 野菜の最適貯蔵条件 ライター/瑞樹(管理栄養士)
瑞樹