「捕球できる…あれ?」ドジャース大谷翔平“17歳の衝撃弾”が頭上を通過「大谷世代と言われますが、藤浪晋太郎にも…」大阪桐蔭元主将のプライド
大谷に食事面について聞いてみたところ…
水本が高校時代からの変化に気付いたのは、大谷が日本ハムに入団して3年ほど経った時だった。亜細亜大でプレーしていた水本は本格的なウエイトトレーニングに取り組んでいた。その頃、テレビで見た大谷の体は明らかに厚みを増していた。 大谷が専属の栄養士をつけたという報道を見たことから、普段の食事について質問するため連絡を取った。 水本と大谷は高校3年生の時に日本代表で一緒にプレーしており、親交があった。水本が「プロテインやサプリメントは補助食品として、しっかり摂った方が良いよね」といった言葉を送ると、大谷と意識の差を痛感する答えが戻ってきたという。 「サプリメントを補助食品だと思って摂っているうちは、まだまだと返ってきました。大谷選手にとってサプリメントやプロテインは食事の一部で、食事に対する考え方の違いを感じました」
同学年でありながら尊敬しかない
食事にも妥協しない大谷の体つきは高校時代から激変した。 昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の際に「パスタにソースをつけずに塩で食べる」という大谷の食生活に関する報道が出たが、水本は「その姿を容易に想像できますね。毎日のことでストイックに継続するのが本当に難しい食事の面でも、パフォーマンス向上を目指すところも大谷選手のすごさです」と話す。高校時代には想像できなかった成長曲線を描く大谷には、同学年でありながら尊敬しかないという。 センバツで花巻東に勝利した大阪桐蔭は、そのまま頂点に立った。夏の甲子園でも優勝し、史上7校目の春夏連覇を果たした。水本は花巻東戦の勝利が快挙につながったと感じている。 「センバツでは優勝できるチームだと誰も思っていませんでした。ほとんどが先制されて逆転するギリギリの勝利。ただ、花巻東戦で逆転した自信と勢いが夏の大会まで上手く働いてくれました」
大谷世代と言われますが、藤浪にも頑張ってほしい
水本は大阪桐蔭から亜細亜大学、東邦ガスと進み、26歳で選手生活にピリオドを打った。現役を退いて改めて同級生の顔を思い浮かべると、注目度の高い世代でプレーしたと感じている。大谷や藤浪だけではなく、鈴木誠也(現カブス)や昨年の阪神優勝の立役者となった大山悠輔や近本光司。ドラフト1位で指名されたり、球界を代表する選手が多い、いわゆる“当たり年”となっている。 水本は同学年の豪華なメンバーに「今、客観的に見るとすごいですね」と誇らしげに笑う。 そして、少しだけ甲子園春夏連覇のプライドをにじませた。 「今は大谷世代と言われていますが、野球の話をする機会がある時、自分は周囲に藤浪世代と伝えています。やっぱり、まだまだ藤浪にも頑張ってほしい。自分たちの学年は最初、大谷世代ではなく藤浪世代と言われていましたから」 そんな水本は、藤浪、そして大谷らとともに戦った18歳以下日本代表での思い出も、強く残っているという――。<つづく>
(「甲子園の風」間淳 = 文)
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