「捕球できる…あれ?」ドジャース大谷翔平“17歳の衝撃弾”が頭上を通過「大谷世代と言われますが、藤浪晋太郎にも…」大阪桐蔭元主将のプライド
記憶に刻まれたのはストレートではなく…
試合は大阪桐蔭のイメージ通りに進んだ。5回までは0-2。大谷に対して、わずか単打2本に封じられた。だが、リードされても焦らない。得点チャンスは終盤に巡ってくると考えていたからだ。 6回。先頭打者の水本が四球で出塁すると、大阪桐蔭の攻撃にスイッチが入った。この試合初の長打となる二塁打を含む2安打に四球や犠打を絡めて3得点。試合をひっくり返した。続く7回にも2点を追加するなど、最終的に大谷から9点を奪って勝利した。 大谷投手との初対戦で水本の記憶に刻まれたのは変化球だった。 高校生では珍しくフォークを自在に操る投球について「カウント球にも勝負球にも使われて厄介でした。カットボールも打ちづらかったです」と振り返る。
捕球できる、と思って追った打球がライトスタンドへ
ただ、最大の衝撃は投球ではなく、大谷の打撃だった。 この試合の4番に座った大谷は2回の第1打席、カウント2ボール2ストライクから藤浪が投じた116キロのスライダーをライト方向へと打ち上げた。 捕球できる――。 右翼を守っていた水本は、最初はそう思って追ったという。しかし打球はぐんぐん伸びる。はるか上を通り過ぎる打球を見上げて、ライトスタンドに着弾するのを確認するしかなかった。 「大谷選手はタイミングを外されて右手一本で打ったように見えました。まさかスタンドに入るとは思いませんでした。藤浪と初対戦で本塁打を打てる選手がいることにびっくりしました。実は、打者としての大谷選手はノーマークだったんです」 水本をはじめ、大阪桐蔭の選手たちが警戒していたのは「投手・大谷」だった。それだけに、「打者・大谷」の衝撃は大きかった。 大谷は3打席目でもアウトになったものの、三塁へ強烈なライナーを放っている。水本はこの打球についてもこう語っている。 「三塁手のグラブが持っていかれるのではないかと思うほどの打球でした。大谷選手の技術とパワー、どちらにも驚きました」 大谷投手のパフォーマンスは確かに水本の印象に残った。しかし、メジャーリーグで二刀流として活躍し、MVPを獲るまでの選手になるとは全く想像していなかったという。 「当時は正直、藤浪や1学年下の森の方が大谷選手より上だと感じていました」 後にプロ入りするチームメートの藤浪投手や森友哉(現オリックス)の投球や打撃が勝っていると感じていた。
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