さくらんぼ王国も「やや少ない」 山形・吉村美栄子知事「豊作と思っていた」と肩落とす
「さくらんぼ王国」を誇る山形県が県特産のさくらんぼについて「作柄はやや少ない」と発表したことを受け、吉村美栄子知事は22日の定例記者会見で「今年は霜の被害も少なかったので、豊作だと思っていた」と残念そうな表情を浮かべた。 県さくらんぼ作柄調査委員会によると、今季の予想収穫量は1万2100トンで、前年比93%、平年比91%。昨夏の高温の影響で双子(ふたご)果が多く、双子果は取り除くため、その分の減少となった。双子果は2つの実がくっついたもので、味はほとんど変わらないが、見た目が悪いため商品価値が下がるとされる。 また、開花期の高温乾燥で雌しべに花粉が付きにくかったことや、マメコバチやミツバチなど訪花昆虫の活動が十分でない地域もあったため、収穫量に影響しているとみられる。 来年は県内でさくらんぼや西洋なしなどの果樹栽培が始まって150周年を迎える。吉村知事は「山形はいちずに果実を作り続けてきた。温暖化の影響もあるのだろうが、歴史があるので、これからも工夫を重ねて(果物王国の)地位をキープしていきたい」と決意を新たにしていた。