泥酔で服はドロドロ、車内では「吐くハラ」…タクシー運転手が遭遇した「最悪の酔っ払い客」
「吐くぞ吐くぞ」と脅迫されて
タクシードライバーが、乗客に言われて嫌なワードのひとつに「急いで」がある。そのワードを言われると平常心を失うドライバーも多いだろう。しかし、昨今のカスハラ問題でこの「急いで」は、言い方によってはカスハラと受け取りかねない。 このパワハラとも捉えかねないワードを使わずに運転を急かす強者もいる。酔ってもないのに酔ったらフリをして、時折見せる深呼吸とゲップ。ドライバーも車内で吐かれてはマズいと急いでしまう。 何とか吐かれずに間に合ったと安堵するドライバーを嘲笑うかのようにケロっとした表情で降りる乗客。この乗客にまんまと一本取られたが、ドライバーの心理としては、泥酔客を乗せるとそのような心理が働くことがある。結果的に急がす運転は事故率も上がるのだ。 泥酔してタクシーに乗ると、余計な出費がかさむし、ドライバーに絡み犯罪者になったり、乗車を拒否されたり、酔いが醒めた時には知らない世界に行ってしまうこともある。酔ったからタクシーで帰ろうという甘い考えは捨てた方がいいだろう。「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」この標語は、ドライバーだけではなく、時には酔っ払いにもはてはまるかもしれない。
二階堂 運人(物流ライター)