長崎県代表・長総大付が初戦惜敗…正智深谷(埼玉)に1-2 全国高校サッカー選手権
第103回全国高校サッカー選手権第2日は29日、さいたま市のNACK5スタジアム大宮などで1回戦の残り15試合が行われ、長崎県代表の長崎総合科学大付は正智深谷(埼玉)に1-2で惜敗した。 長総大付は序盤から好機をつくりながらゴールを奪えず、前半37分に右CKを頭で合わせられて先に失点。前半追加タイムにクロスのこぼれ球をMF髙橋駿が蹴り込んで追い付いた。1-1の後半13分に勝ち越された後、選手を入れ替えながら同点ゴールを目指したが、追い付けなかった。 前橋育英(群馬)は今夏のインターハイ4強の米子北(鳥取)に2-0で快勝。尚志(福島)と対戦した東福岡は0-0からのPK戦を5-3で制した。日章学園(宮崎)は高岡伶颯のハットトリックの活躍で西目(秋田)に6-1で大勝。大津(熊本)、矢板中央(栃木)、愛工大名電(愛知)などが勝ち上がった。 第3日は31日、首都圏8会場で2回戦16試合を実施する。 ◎「甘さが出た試合」 2点目遠く 地元代表校の勝利に沸くスタジアムのピッチで、長崎総合科学大付の選手たちは倒れ込み、ぼう然と立ち尽くした。一度は追い付く粘りを見せたが、3大会ぶりの初戦突破はならなかった。定方監督は「決定機があった中で決めきれずに失点。甘さが出た試合だった」と唇をかんだ。 「1回戦で逆転負けした1年前と同じ思いはしたくない」。長総大付イレブンの思いが詰まった前半だった。鋭い出足でセカンドボールを拾って攻撃に転じる。守備では素早いプレスで相手の攻撃を封じた。FW坂本らは積極的にゴールを狙った。37分に警戒していたセットプレーで先制を許したが、すぐに追い付く意地を見せた。後半に勝ち越されても足を止めず、最後までピッチを駆け回った。ただ、2点目のゴールが遠かった。 勝てずに苦しんだ1年だった。1月の県新人大会は準決勝、6月の県高総体は決勝でともに国見に惜敗。しかし、選手たちは下を向かず、夏の遠征で関東などの強豪校と練習試合を繰り返してたくましくなった。定方監督は「昨年に比べて抜きんでた選手がいない。だから、今年はチームワークで勝負」と言い続けた。どこのチームよりも走るハードワークで全国の舞台に帰ってきた。 前回に続いて初戦を突破できなかったが、3年生は戦う姿を後輩たちに示した。昨年から主力だった主将のMF宇土は「この悔しい気持ちを忘れず、これからの1年間を乗り越えてほしい。この借りを来年返して」。2年間の思いを託して、高校サッカーを終えた。