元妻「契約みたいな結婚」と淡々 紀州ドン・ファン公判被告人質問
「契約みたいな結婚」「愛し合う結婚ではない」。初公判で「私は無罪です」と答えた時のか細い声とは一転し、法廷に響くほどのはっきりした口調で淡々と言い切った。「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家殺害事件の公判は8日、元妻須藤早貴被告(28)に対する被告人質問が始まった。 この日の須藤被告は黒のスーツ姿で法廷に姿を見せた。約50席の傍聴席に対して朝から90人以上が詰めかけ、証言台に座った被告の後ろ姿を見つめたりメモを取ったりする人の姿もあった。 審理冒頭では、弁護側が野崎幸助さん=当時(77)=との出会いを質問。金を渡した見返りに言うことを聞くよう要求してきたとした上で「やべえやつ」「月100万円もらう契約みたいな結婚」などと赤裸々に語ったが、ほとんど身動きせず表情を変えることはなかった。 被告人質問のやりとりで、50歳ほど歳が離れた野崎さんとの結婚を家族や友人に伝えなかったことも明らかにした須藤被告。弁護人から理由を尋ねられるとこう答えた。「愛し合う結婚ではないので」