老けたくないけど「やっぱり酒が飲みたい」人に医師が教えるお酒の選び方
■「やっぱり酒が飲みたい」という方には 高齢の方への医学的におすすめなお酒の飲み方ですが、まずお酒は、なるべくGI値(グリセミックインデックス)の低いものを選ぶのがコツです。GI値とは、食後血糖値の上昇度を示す指数で、この指数が高いほど、体の老化の大きな原因である「糖化」が起こってしまいます。糖化とは体の「焦げ」ともいわれ、パンをトーストすると焦げ茶色になる、それはパンが糖化しているということで、人体でも同じように糖化が進むほど体内の老化が進みます。
お酒の中でGI値が低いのはワインで、一番高いのはビールです。もしお店でワインがなければ、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を飲むことをおすすめします。 人体の老化には、糖化に加えて「酸化」という現象も大きく関わっています。この酸化を抑える抗酸化作用のある食べ物を積極的に摂取すると酸化に効果的です。赤ワインには抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれているため、体の酸化(老化)を防ぐ上でも優秀です。 お酒の飲み方で気をつけたいことは「一人酒」をなるべくしないことです。年齢を重ねるほど、一般的にはお酒に弱くなります。年齢とともに内臓の機能が衰え、アルコールを代謝する肝臓が衰えるからです。つまり、歳を重ねるほど、以前ほどの量を飲めなくなるわけです。若い頃と同じくらいの量を継続して飲んでいるだけならば、大きな問題になることはないと思いますが、飲めなくなるはずの年齢でも酒量が増えているときは、依存症傾向があることを自覚するべきです。
ただし、誰かと飲むほうが酒の量に歯止めがかかりやすくなるメリットもあります。仲間と騒ぐとか愚痴をこぼすとかという「楽しい酒」である場合は、メンタルヘルスによいこともあります。
和田 秀樹(監修) :医師