手足口病「警報レベル」……前倒しで流行ナゼ? “感染症ドミノ”に要注意 医師「免疫回復に3~4週間」【#みんなのギモン】
■手足や口の中に水泡状の発疹が
近野解説委員 「今流行し始めている手足口病は通常、子どもを中心に夏に流行する感染症ですが、大人がかかることもあります。名前の通り、手足や口の中に水泡状の発疹が現れ、発熱することもあります。特に口の中に発疹ができると、痛みで飲んだり食べたりがつらいです」 森アナウンサー 「私の子どもはかかった時、水も飲めないと泣いていました」 近野解説委員 「かわいそうな、本当に痛々しいですよね。飛まつや接触などで感染し、ほとんどの方は数日で症状は治まります。まれに、髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こすことがあり、重症化する恐れもあります」
■東京都の流行、年によって異なる時期
山崎誠アナウンサー 「夏に流行するということですが、確かに気温は高くなってきていますけれども、夏本番には早いと思います。流行の時期はどうなんですか?」 近野解説委員 「東京都のデータはどうでしょうか。東京都感染症情報センターによると、1医療機関あたりの患者の報告数は、おととしは6月の終わりごろから一気に増え、去年は8月の終わりごろから流行し始めました。今年はさらに前倒しして、5月下旬ごろから流行し始めています」 刈川くるみキャスター 「年によってバラバラですが、今年特に早い理由はあるんですか?」
■早期の感染拡大に「ウイルス干渉」も
近野解説委員 「都内にある、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長に聞きました。今年は夏を迎える前から平年より全国的に気温が高いことが背景にあるのでは、ということです。4月のうちから夏日になるような日が続いていましたからね」 「さらに、早い時期から感染が拡大する理由としては、あるウイルスが大流行していると他のウイルスの流行が抑制される『ウイルス干渉』という考え方があります」 「去年はヘルパンギーナや咽頭結膜熱が大流行した一方、ウイルス干渉によって手足口病は比較的少なかったです。そのため、手足口病に対する免疫力が低下している人の比率が高いので、今年は手足口病が夏風邪流行の口火を切ったのではないかと考えられます」 森アナウンサー 「反動ですね」 鈴江アナウンサー 「ウイルスの流行には勢力図みたいなものがあるんですね」