寄贈のガンジー像、設置巡り波紋 長崎「景観乱す」住民反発
長崎市で、非暴力を唱えてインド独立を主導したマハトマ・ガンジーの胸像の設置計画が宙に浮いている。インド側から寄贈の申し出を受け、国の重要文化財で観光名所の「眼鏡橋」近くへの設置を市が決定。だが方針を急に示された地元住民らが「歴史ある地区の景観にそぐわない」などと反発し、再検討を迫られた。 同様のガンジー像は米ニューヨークの国連本部の庭園に置かれているほか、昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)開催時に広島の平和記念公園近くにも設置された。 市によると、胸像の台座を含めた高さは約2.4メートル。駐日インド大使が昨秋の訪問時に寄贈を提案し、その後、大使館が市内の平和公園への設置を打診した。 市は寄贈を受け入れる一方、平和公園に特定の個人の像を置くことは認めていないとして代替地を選定。人通りが多く「米軍による当初の原爆投下目標地点に近い」というメッセージ性を持つ眼鏡橋付近でインド側と合意した。2月下旬に工事を始めていた。