150キロを超える速球が武器の広池康志郎投手

　プロ野球のドラフト会議が24日、東京都内で開かれる。九州・山口・沖縄からは高校生23人、大学生19人がプロ志望届を提出したほか、社会人や独立リーグの選手も指名を待つ。運命の日を前に、夢に向かって練習に励む選手を紹介する。 【写真】走攻守でセンスの高さが光る九州産業大の浦田俊輔選手も指名待つ

広池康志郎投手（22）（東海大九州）

　左足を高く上げる独特のフォームから投げ込む直球は、最速153キロに達する。この夏から秋にかけてはチェンジアップなどの変化球にも磨きをかけ、身長1メートル85の大型右腕は一段と成長した。「緊張はするが、楽しみな気持ちもある」と胸を高鳴らせている。

　宮崎県都城市出身。地元で祖父が畜産業を営んでいたこともあり、小さな頃から牛の世話を手伝ってきた。いつしかその道に進みたいと考えるようになり、宮崎・都城農高に進学。大学も畜産を専門的に学べる農学部に決め、卒業したら野球はやめるつもりだった。搾乳やエサやりなどの実習で忙しくなると、週の半分は練習に参加できない。それでも、今年6月の全日本大学選手権で1回戦の中部学院大戦に先発し、手元で伸びる速球を投げ込んで5回2失点。プロの評価が急上昇し、林田倫彦監督は「筋力は十分ではなく、体が未完成でも150キロ超の球を投げる。50メートルを6秒台前半で走る身体能力も魅力で、伸び代は十分」と語る。

　広島で通算213勝を挙げた北別府学さん（故人）は高校の先輩で、周囲からは「北別府2世」と期待される。「指名をいただけたなら、先発ローテーションを守る投手になりたい」。しっかりと青写真を描いている。