Jリーグが新型コロナ余波で優勝賞金、分配金の見直しも
世界的な大流行となった新型コロナウイルスの影響を受けて、2月下旬からすべての公式戦開催を中断。再開へ向けた今シーズン限定の施策として、リーグ戦におけるカテゴリー間の降格制度の廃止を決めたJリーグが、優勝賞金や理念強化配分金などの金額の一時的な見直しも視野に入れている。 Jリーグの上位に入ったクラブに対しては、例えば明治安田生命J1リーグ優勝で3億円、YBCルヴァンカップ制覇で1億5000万円の賞金が支給されている。さらにJ1の上位4位までのクラブには翌年から理念強化配分金が支給され、優勝クラブの場合は3年間のトータルが15億5000万円になる。 スポーツチャンネルの『DAZN』を運営するイギリスのDAZN Groupと10年間、総額約2100億円の大型放映権契約を結んだ2017シーズンから各種賞金や均等配分金が大幅にアップ。さらに理念強化配分金も新設されたなかで、Jリーグの村井満チェアマンは今シーズンに限った考え方として、19日の臨時実行委員会後に開催したウェブ形式のメディアブリーフィングでこう言及している。 「試合そのものを安定して開催させていくためには、さまざまな出費が考えられます。そういった財政的な検討もしつつ、場合によっては賞金の扱いであるとか、理念強化配分金の扱いで金額の一部を見直す可能性があるかもしれない、と考えていただければと思っています」 新型コロナウイルス禍と、Jリーグから上位クラブへ支給される賞金や分配金の金額見直しがなぜ結びつけられるのか。答えは村井チェアマンが言及した「さまざまな出費」にある。 4月3日に設定している公式戦の再開へ向けて、Jリーグではあらゆるフィールドで準備を進めている。そのなかで最も重要視されているのが、スタジアムに足を運ぶファン・サポーターの安全安心を確保する対応となる。クラブスタッフらすべての関係者にマスクを着用させ、アルコール消毒液なども大量に用意するなかで、難航しているのが体温を自動的に測定するサーモメーターの購入だった。