化学物質PFAS、航空自衛隊芦屋基地が最高値…国の「専用水道」調査で44か所が暫定目標値を超過
全国各地の水道水や河川で検出されていた化学物質「PFAS」について、環境省と国土交通省は24日、国の施設や企業の療養所などが自家用に利用する「専用水道」での調査結果を初めて公表した。2020年4月以降、11都府県の44か所で国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノ・グラム)を超過しており、最も高かった航空自衛隊芦屋基地(福岡県)では、暫定目標値の30倍となる1リットルあたり1500ナノ・グラムが検出された。 【写真】福岡県庁
全国8177か所の専用水道のうち、検査実績のある1929か所からの回答をまとめた。国の施設で暫定目標値を超えたのは、空自芦屋基地のほか、▽府中刑務所(東京都)▽陸上自衛隊小平駐屯地(同)▽陸自東立川駐屯地(同)▽空自府中基地(同)▽空自岐阜基地(岐阜県)の5か所だった。
芦屋基地によると、防衛省の要請を受け、基地内にある三つの井戸から供給されている水について調査したところ、浄化装置のない蛇口1か所で1500ナノ・グラムが検出されたという。
10月末に判明し、すぐに高濃度の井戸の使用を停止した。蛇口は飲用でも使われた可能性があるが、健康被害は確認されていないという。同基地は10年4月以降、PFASを含む泡消火剤を使用しておらず、「現時点で自衛隊との因果関係を申し上げるのは困難」としている。
福岡県は今月に入ってから報告を受け、今後、基地外の井戸、周辺の河川や水路の水質調査を実施する。