不動産投資なんてやらなきゃよかった…「初めてだから」と堅実な投資をしたつもりが、一転。貯金底見えのワケ
昨今は物価の高騰、終わりの見えない円安、年金の目減り…荒々しい逆風に国民の懐はさらされています。そうしたなか1月の新NISAスタートも手伝って、日本ではかつてないほど投資への関心が高まっています。貯蓄より投資に目を向ける人が増え「投資するよりも、しないリスク」という言葉も耳にしますが、やはり投資にはリスクがつきものです。本記事では、投資初心者が陥りやすい、不動産投資の落とし穴にスポットを当て解説します。 都道府県「3LDKマンション家賃」ランキング
投資の「はじめの一歩」に選ばれることがある不動産投資
投資といえば、株式や債券、投資信託等が一般的です。それらは投資の基本対象であることから「伝統的な資産」と呼ばれています。一方で、伝統的資産以外の投資対象となるものを「オルタナティブ資産(=代替資産)」といいます。 オルタナティブな資産への投資は、不動産投資やヘッジファンド(私募形式の投資信託)、創業されたばかりのベンチャー企業に投資するプライベートエクイティなどがあります。 不動産投資は、うまくいけば毎月一定の賃料が見込まれます。株式投資のように、株のチャートに一喜一憂することもなく、金(ゴールド)への投資のように価格上昇後に売却するまでは、手元に1円も入ってこないというものではありません。そうした理由もあり「今年こそ投資にチャレンジしたい!」という初心者の「はじめの一歩」として選ばれることも。 しかし、不動産投資は投資家や経済に精通している人でも「あえてやらない」という声が聞かれます。不動産投資ならではのリスクを見てみましょう。
郊外に一軒家を購入したハル太さんと、都内にマンションを購入したナツヲさん。10年後についた「唖然の差」
年収550万円、38歳のハル太さん(仮名)は妻1人、6歳になる子ども1人と一緒に、都内にある会社まで電車で1時間半の郊外にある一軒家で暮らしています。 ハル太さんにとっては夢のマイホーム。10年前に奥さんのあき子さんと結婚したタイミングで思い切って購入しました。当時はまだ20代、年収も今より約20%低く、勇気のいる決断でしたが「10年もすれば、うちの会社なら500万円以上もらえるしな。」と35年の住宅ローンを組みました。 ちょうど同じタイミングで結婚し、マイホームを購入したのがハル太さんの大親友・ナツヲさん(仮名)。ナツヲさんは高校の同級生で年収もハル太さんと同じぐらい。ナツヲさんは「郊外の広い家に住むか」「会社へのアクセスのいい都内に住むか」で悩みますが、奥さんのミフユさん(仮名)と話し合って、豊洲のマンションを購入しました。タワマンではありませんが14階建ての新築マンションです。 それから10年――。都内の住宅価格が軒並み高騰しナツヲさんのマンション価格は築10年にもかかわらず、購入価格よりも大幅に上昇。「いまだ!」と思いナツヲさんは売却に踏み切り、数100万円の利益を得ました。 それを聞いたハル太さんはビックリ。「えー! 都内のマンションって今、そんなに高く売れるのか」「ああ、俺もビックリしたよ。不動産投資なんて全然興味なかったから、まさか自分がマイホームを売却するなんて夢にも思わなかったよ。まあ棚ぼたってやつだな。ははは」
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