巨人・浅野に受け継がれた、岡本の"後輩愛"…報知カメラマンの年イチショット2024
いつにも増して笑顔だった。12月。5泊の優勝旅行(米ハワイ州)を終えた巨人ナインは、帰国の途につくためホノルル国際空港にいた。真っ黒に日焼けした屈強な軍団の中で、浅野翔吾外野手(20)の笑顔がひときわ輝いていた。 話を聞いてみると「(岡本)和真さんから買ってもらって」という大きなボストンバッグを提げている。リーグ優勝後、食事に誘われた際に「好きなものを何でも買ってあげる」と約束され、帰国前夜に声がかかった。 ホノルルのブティック街に繰り出すと、先輩は小一時間でボストンバッグやベルト、帽子などを"大人買い"。どれも高級ブランドばかりで「もう、びびりまくりでした。相当、高かったです。なかなか手が出せないので、めっちゃうれしかった」(浅野) 驚かされたのは、そのあとだ。巨人は今年のドラフトで花咲徳栄高の石塚裕惺内野手(18)を1位指名。浅野以来となる高卒野手1位で、右投げ右打ちと共通点も多く入団前から気に掛けているそうで、「(石塚が)初ヒットを打ったら、僕も何か買ってあげたい。誰よりも早く。和真さんも、夢を見させるために買ってくれていると思うので」。うれしい反面、しっかりと近未来の巨人も見据えていた。 話を終え、写真を撮らせてもらった。艶のあるバッグを担ぎ、一瞬はにかんだ。その笑顔は、やっぱり20歳の青年だ。そして、すぐに口元を引き締めた。「先輩への尊敬と、後輩への気遣いを大切に、来年も頑張ります」 岡本から浅野、そして石塚へ―。頼もしい若者によって、高卒ドラ1の系譜は受け継がれていく。(記者コラム 写真部巨人担当・宮崎 亮太)
報知新聞社