土屋太鳳、佐久間大介、金子ノブアキ出演「マッチング」「あのパターンね」からの「はああっ!?」 気持ちよく騙された! 小説も書いた監督がそれぞれに込めた思いとは
推しが演じるあの役は、原作ではどんなふうに描かれてる? ドラマや映画の原作小説を紹介するこのコラム、今回は怒涛のどんでん返しに翻弄される、この映画だ! 【写真を見る】土屋太鳳、佐久間大介、金子ノブアキらが出演する映画「マッチング」の人物相関図を見る
■土屋太鳳、佐久間大介(Snow Man)、金子ノブアキ・出演! 「マッチング」(KADOKAWA・2024)
気持ち悪いさっくん最高、というちょっと何言ってるかわからない感想に浸っている。いやあ、ストーカーの狂気の中にときおり覗かせる愛らしさ、まさに吐夢だ……。 原作はこの映画の監督であり脚本も手がけた内田英治の『マッチング』(角川ホラー文庫)。映画に合わせて書き下ろされたとのことなので、原作ともノベライズとも少し違う位置付けになるのかな。でもまあ、監督が書いたんだから基本的に小説と映画は同じはずだよね……と思っていたら! これがけっこう違うから驚いた。いや、ストーリーは同じなんだけど小説に登場した大きなエピソードがふたつ、映画ではカットされていたのだ。 それについては後述するとして、まずはあらすじから紹介しよう。恋愛に奥手なウェディング・プランナーの輪花(土屋太鳳)は、同僚に背中を押されてマッチングアプリに登録した。相性がいいと診断された永山吐夢(佐久間大介)とデートすることになったが、待ち合わせの場所に現れたのは明るいプロフィール写真からは想像もつかない不気味な男。吐夢は輪花をつけまわし、ついに自宅にまで現れる。 困った輪花は仕事で知り合ったマッチングアプリ開発会社のプログラマー影山(金子ノブアキ)に相談。すると吐夢はあちこちのマッチングアプリでトラブルを起こしている人物だという。一方その頃、巷ではアプリ婚をした夫婦が次々と惨殺されるという事件が起きていた。そして輪花がプランナーとしてかかわったカップルがその犠牲になったのを機に、彼女の周囲でも不穏なできごとが……。 基本的なストーリー展開は、その結末も含めて小説と映画に違いはない。これね、ある程度この手のサイコサスペンスやミステリに馴染んでる人なら、けっこう早い段階で「こうなんじゃないかな」って見当がつくんじゃないかな。定番といえば定番の展開なのだ。だけどそこで見切ったと思ってはいけない。私は小説を先に読んだが「あー、あのパターンね、はいはい」と上から目線で読み続け、「ほらやっぱりね」とほくそ笑んだあとに「はあああっ!?」とのけぞったからね。それも1度だけじゃなく。 もちろんどんでん返しについて具体的に触れるわけにはいかないけれど、事件の展開についてのどんでん返しだけではなく、読者(観客)の感情移入先についてもどんでん返しを喰らう、とだけ書いておこう。いやあ、気持ちよく騙された。いや、この場合、気持ち悪く騙されたというべきか。