【阪神】最強のブルペンつくる!3年ぶり現場復帰の金村暁投手コーチが推し進める「無駄球なき改革」
藤川新監督率いる阪神は今オフの移籍市場で、ニック・ネルソン投手(29=前フィリーズ)や現役ドラフト右腕・畠世周投手(30=前巨人)らを獲得。助っ人野手の獲得は極力控え、中継ぎ投手の補強に力点を置いた戦略からは、岡田前政権から続く「投手力を中心にした守りの野球」を踏襲せんとするコンセプトが強くにじみ出ている。 チームの伝統的なストロングポイントであるブルペン陣の重要性は、ピッチャーズパークである甲子園を本拠地として戦う以上、今も昔も変わりはない。そんな中でも、中継ぎ陣の管理に強いこだわりを持つ金村暁投手コーチの3年ぶりとなる現場復帰は、チームにとっても大きな助けとなりそうだ。 「投手の肩ヒジは消耗品」という認識を藤川監督と強く共有する同コーチが今後推し進めるのは、ブルペン内での無用な球数の浪費を可能な限り抑える「無駄球なき改革」だ。登板に備えた試合中のブルペン待機で、必要以上に肩をつくることは極力省かせ、待機投球の球数も金村コーチが厳格に管理&集計。それらのデータはチームのアナリストとも共有し、中継ぎ陣が試合本番も含めて〝実際に投げた球数〟が投手一人ひとりにどのような影響を与えたかを分析。投手起用の判断材料として活用する構えだ。 守護神・岩崎を筆頭に、桐敷、石井、ゲラと有力な投手が顔をそろえる虎中継ぎ陣だが、それでもいい投手は「何人いても足りない」のが長丁場のペナントレース。投手個々のコンディションを維持し、持続可能な形で最良のパフォーマンスを発揮させるための試みが可能なのも、指揮官から選手起用も含めたブルペン内の全権を託された金村コーチの存在があってこそだろう。投手分業や連投忌避の概念が浸透した令和の球界で、新たな中継ぎ陣運営モデルを確立できるかに注目したい。同コーチの口癖は今も昔も「最強のブルペンをつくる!」だ。
東スポWEB