ミシュラン星つき店から独立した話題の新店〈鮨 大矢〉なら、デートも接待も間違いなし!
東京には多くの鮨店がオープンしているが、2023年5月22日神楽坂にオープンした〈鮨 大矢〉が話題になっている。大将の大矢庸二さんは、ミシュランガイドで3つ星に11年連続で掲載され続け、現在も2つ星として輝く〈鮨 よしたけ〉で、9年間も修業してきた。確かな“匠の技”に加えて、アメリカやタイで育ち、英語も堪能。ニューヨークや香港の星つき店でも働いた経験があり、インターナショナルなバックグランドを持つ。
この大矢さんの“にぎりの真髄”を堪能できるのが、“おまかせコース”(3万5000円)。シャリ酢のブレンドに徹底的にこだわっていて、オープン当初は赤酢をつかった赤シャリだけだったが、今は米酢=白酢と赤酢をブレンドした白シャリを使い分けている。淡白な白身やイカにはブレンドした白シャリを、鮪には赤シャリを使用するなど、ネタとの一体化を果てしなく追求しているのだ!
鮪は“4大仲卸”とも呼ばれる〈石司〉から仕入れているから、ネタの質は折り紙つき。 “赤身”はシュッとした佇まいが美しく、“漬け”はちょうどいい加減。力強い味わいながらも、この後に続くネタを邪魔していない。“中トロ”は脂の上味がぎゅっと凝縮されていて、ほどよい口溶け感。シャリの酸味と合わさって、さらっとした食後感になっている。赤身がもつ鮪特有の幽香もまとっていて、香りも非常に豊か。
口中ですっととろけるのが、豪快な脂をもつ“大トロ”。融点が低く、舌の上でその至味が心地よく広がっていく。
“鰹”は軽く玉ねぎを煮出した醤油に漬けられていて、独特の主張が穏やかに包まれている。香りが豊かな“小肌”はしっかりと〆てあり、酸味の利いた白シャリとの相性が抜群。
〈鮨 よしたけ〉出身というだけあって、大矢さんの“つまみ”はどれも洗練されたものばかり。 “牡蠣ご飯”は食感を残して切った牡蠣を、白シャリと合わせた一品。牡蠣を葱油、酒、醤油でオイル煮にして、牡蠣の旨味を存分に引き出した。大葉と胡麻の香りが憎らしいほどに食欲をそそる。 出来立てを手渡ししてもらえるのが“平貝”だ。薄切りにしてしっかりめに焼いた平貝を、パリッと焼いた海苔でサンド。おかかと熊本県八千代市球磨川で採れる青海苔を加えて、味わいと香りに深みを持たせている。