<坂本真綾>アニメ「黒執事」開始から16年 再会の喜び “今の私のシエル”表現
「寄宿学校編」でシエルは生徒を装い学校に潜入するため、同年代の少年たちと交流する。コミカルなシーンもあり、これまでにないシエルの表情を見ることができる。
「これまで悪魔や死神など濃いキャラクターが多い中で、『シエルはあまり影響されず、クールであることをキープしてほしい』と言われてきました。今回もベーシックなところは変わらないのですが、シエルは学校に溶け込み、爽やかで普通の少年を演じているので、意外と感情の幅を見せてくれます。学友と笑い合ったり、熱血にスポーツをしたり、普段のシエルとは違う行動や表情がいっぱいあります。へりくだった接し方をして、先輩を立てたりもしますしね。同室のマクミランは本当にいい子で、シエルも多分その本質を見抜いているのか、あまり警戒心を見せずに、素で接しているようにも感じもしました。誰かと会話する途中に心の声も入ってきたりするので、カットごとにいろいろなシエルが現れます」
坂本さんは、さまざまな表情を見せるシエルを演じることについて「楽しかった」と振り返る。
「いろいろなシエルを演じられたのは、自由度が高く、楽しかったです。一方で、セバスチャンと二人きりになった時は、これまでのシエルになります。行ったり来たりして、二面性を演じるのが難しくもあり、楽しかったですね。以前の私には、難しくてできなかったかもしれません。継続してきた今だから、楽しんでできるようになったんです。今の私が原作、脚本を読んで、新しい気持ちで、今の私のシエルにしたいと思って演じています」
◇大黒柱は“セバスチャン”小野大輔
シエルはこれまでにない表情を見せるようだが、セバスチャンも変化するのだろうか?
「ビジネスパートナーとしてお互いの利害があってそばにいることが大前提なので、シエルからすると、決して心を許していい相手ではないとは思いますが、今回は寄宿学校というアウェーな場所に行き、二人だけが共有している秘密があり、お互いに意外と頼っているところもあるように見えます。ビジネスパートナーだけど、それ以上の部分もよく見えるんです。今までのシエルよりも、心を開いている印象が私にはありました。セバスチャンは、計算高い人ですが、冷たさと温かさが交互に見えて、一番たちが悪いタイプの男性かも(笑い)。悪魔であることは忘れちゃいけないですよね。シエルのことを特別に思ってくれているところも時々見えます。小野さんが『セバスチャンは豪華客船編で敗北を経験して何かが変化している』ともおっしゃっていて、確かにそうなんですよね。言葉ではうまく説明できないのですが、以前と違うセバスチャンも見られます。ガラッと変わったのではないのですが、何かにじみ出ているような変化なのかもしれません」