米SEC、コインベースの召喚要請を却下するよう裁判所に求める
コインベースの要求に反発
米証券取引委員会(SEC)が、米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)による暗号資産に関連する文書の提出を求める召喚要請について却下するようニューヨーク裁判所に8月5日要請した。 SECが提出した書類によると、コインベースはSECに対し「デジタル資産への証券法の適用」に関するすべての文書(SECの内部及び外部の電子メールを含む)を提出または記録することを要求しているという。 これに対しSECは、「事実と法律を裁判所が分析するのであって、SECの内部協議や市場参加者との協議がこの裁判を決定するのではない」とし、コインベースが行おうとしていることは「この訴訟の必要性とは全く不釣り合い」だと指摘。SECは証拠開示の義務を十二分に果たしており、本申立は却下されるべきだと主張した。 またSECはこれまで、コインベースからの追加の文書開示要求に応じ、公正通知や本件以外の調査ファイルからの文書も開示してきたという。 しかし「コインベースは満足せず、内部ファイルや政府機関や市場参加者とのやり取りを含め、SECの全記録を徹底的に調査するよう迫り続けた」とし、「コインベースは、その『異常な』要求を裏付けるための過去事例や法的原則を引用することができなかった」とSECは主張している。 これを受けコインベースの最高法務責任者のポール・グレワル(Paul Grewal)氏は8月6日、Xにて反論。 「もしSECが前例のない取締りによる規制キャンペーンを行おうとしているのであれば、彼らが対象とする人々、そして一般市民に対して負うべき最低限の義務は透明性だ」と述べている。 規制慣行の透明性を追求するコインベースは6月、SECと連邦預金保険公社(FDIC)を、情報公開法(Freedom of Information Act)の要請に応じなかったとして起訴。同訴訟にはコンサル会社の「ヒストリー・アソシエイツ(History Associates)」も協力し、SECのイーサリアム(ETH)に対する見方についての情報を含む複数の情報開示を求めていた。
髙橋知里(幻冬舎 あたらしい経済)