「マイナ保険証」移行、エラーで使えなかった80歳代男性「複雑で煩わしい」…70歳代女性は「簡単だった」
健康保険証の新規発行が停止された2日、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の利用を基本とする仕組みに移行したことで、福岡市の医療機関の窓口では、マイナ保険証を提示する患者の姿が多く見られた。 【グラフ】マイナ保険証の利用状況
同市博多区の「原三信病院」では、普段、マイナ保険証の利用率は3割ほどだが、この日は午前中の1時間で半数ほどがマイナ保険証を利用。初めて使った70歳代の女性は「うまく使えるか不安だったけど、簡単だった」と話した。一方で、カードを機器にかざしてもエラーで使えず、健康保険証を求められた80歳代男性は「電子証明書が切れていた。年寄りには複雑で煩わしい」と嘆いた。
政府はマイナ保険証への移行で、患者が同意すれば処方された薬の履歴や特定健診結果を医師や薬剤師らが共有でき、より良い医療提供につながるとしている。原直彦院長は「急で戸惑いもあるが、やっていく中で改善点を見つけ、仕組みを充実させたい」と話した。
一方、福岡県保険医協会や同県歯科保険医協会などが加盟する「『保険証をのこして』ネットワークふくおか」は、JR博多駅前で健康保険証の廃止に抗議する宣伝行動を実施した。健康保険証は、2025年12月1日までの最長1年間使える。