ホンダ「シビック・タイプR」(FK2)がスパ、モンツァなど欧州5つのサーキットでFF量産車の世界最速ラップを達成!【今日は何の日?6月14日】
●最強のVTECターボを搭載した限定750台の4代目シビック・タイプR
その後2001年に2代目、2007年に3代目と進化を続け、4代目シビック・タイプRは2015年12月に日本で発売された。最大の特徴は、エンジンが歴代初のターボエンジンになったこと、その他にも走行性能を高める様々な技術が盛り込まれた。 新開発の2.0L直4 DOHC VTECターボは、最高出力310ps/6500rpm、最大トルク40.8kgm/2500~4500rpmを発生。先代エンジンに対して、最高出力54%、最大トルクが107%ほどパワーアップして最高速度が236km/hから270km/hへと向上、これらの数値が4代目タイプRの凄さをよく表している。 車体側についても、9代目シビックのボディをベースに、剛性強化やエアロパーツ採用による空力改善、サスペンションやブレーキの強化など専用部品が装備され、日本では車両価格428万円の750台限定で販売。ところが、予約期間で申し込みが限定台数の10倍を超えたため販売は抽選となり、手に入れたくても手にできないモデルとなった。
●ニュルだけでなく、欧州の著名な5つのサーキットでも圧巻の走りを記録
4代目シビック・タイプRは、日本発売前の5月にドイツのニュルブルクリンク北コースでタイムアタックを敢行。タイムは、それまでのルノー「メガーヌR.S.272トロフィーR」の記録を4秒上回るFF量産車最速となる7分50秒63を記録。限定販売台数の750台は、このニュルのタイムに由来している。 シビック・タイプRはニュルだけで満足せず、欧州で有名な5つのサーキットでもタイムアタックに挑戦。英国のシルバーストン、ベルギーのスパ・フランコルシャン、イタリアのモンツァ、ポルトガルのエストリル、ハンガリーのハンガロリンクの各サーキットすべてで、FF量産車の最速ラップタイムを記録したのだ。 その後もシビック・タイプRは記録を更新したが、2019年にメガーヌR.S.272トロフィーRがFF最速の座に返り咲いた。しかし、2022年9月に発売された新型(6代目)シビック・タイプRが、2023年4月にFF最速記録を更新し、再びFF最速の称号を奪還した。 ・・・・・・・ ニュルだけでなく、名立たる欧州のサーキットでもその実力を遺憾なく発揮したシビック・タイプR。どんなコースであれ、VTECエンジンの高性能、優れたレスポンス、安定したコーナリング性能を備えた世界最速ホットハッチに敵はいない。 毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
竹村 純
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