台湾で30日に大規模デモ 10万人規模へ/台湾
「退回服貿(協議を撤回せよ)」。 台湾の国会にあたる立法院の前では、今もこの言葉が飛び交っている。3月中旬に起きた、学生らによる議会占拠。中国-台湾の「両岸サービス業貿易協議」に反発する動きは、拡大を続けている。明日30日には、再び大規模なデモが行われる予定だ。 ■SNSで6万人が参加表明 10万人に達するとの予測も 学生らは3月27日、台湾の現首脳、馬英九総統のいる総統府の前でデモを行うとを発表。ネットなどを通じ、黒服や黒い物を身につけて集まるよう、参加を呼びかけた。 facebookでは、6万人以上が参加を表明。地元メディアは、今回のデモへの参加者が10万人規模に達する見込みだと報じている。最初期のデモ参加者がおよそ1000人前後だったことを考えると、その数は100倍に達する見込みで、この運動がいかに急速に拡大しているかが分かる。 ■対話姿勢も物別れ デモは長期化へ デモの発端は、2013年6月に台湾・中国間で調印された「両岸サービス業貿易協議」だった。台湾議会の与党である国民党が3月18日、協議への質疑をわずか30秒で強引に打ち切ったことが引き金となり、学生らが議会になだれこんだ。 3月23日、対話を求める学生らに対し、馬総統は会見でこれを拒絶。同日夜に、台湾の内閣にあたる行政院に、デモ隊約1000人が突入した。強制排除を試みた警官隊と衝突が起き、あわせて100人超が負傷している。 事態の沈静化を図りたい馬総統は25日、一転して対話に応じると発表したが、27日に今度は学生らがこれを拒否。対話にあたって要求した「サービス業協議の見直し」などについて、馬総統に応じる姿勢が見られなかったためだという。両者の対話は噛み合わず、事態は平行線を辿っている。 馬総統は29日に会見を行い、「台中の協定を事前にチェックできる制度を協議する」など、一部歩み寄りの姿勢を見せた。この会見は明日のデモにどのような結果をもたらすのか。デモは午後1時(日本時間の午後2時)から実施されると発表されている。 (文責:TomoNews/台湾)