『THE SECOND』は「より長く漫才を続けてもらうための大会」 2年目で裾野拡大、フェア環境一層追求
■賞レース番組のイメージがない有田&華丸に注目 一方の華大に関して、日置氏は「有田さんが“松本さんの代わり”となってしまうと、有田さんもプレッシャーだと思いますし、視聴者の方からもいろんな見え方をされてしまうので、1人が背負うという感じはよくないと思ったんです。その中で、有田さんは最近は漫才の舞台に立たれていないので、現役で寄席に出られている方で、なおかつ漫才師からもリスペクトされ、漫才師にリスペクトのある方、そして『THE MANZAI』というフジテレビの賞レースで優勝されている方ということで、お願いしました」と、オファーの経緯を説明。 大吉は『M-1グランプリ』で審査員をしているが、有田と同様に賞レース番組でのイメージのない華丸の存在とコメントも、今回の注目点となっている。
2年連続ファイナリストは1組のみ「たまたま入れ替わっただけ」
今年の「グランプリファイナル」8組の中で、2年連続の進出となったのは、金属バットの1組のみ。この顔ぶれに、日置氏は「毎年同じ人たちが上がってくるより、そのまま上がる人もいれば、途中で敗れてしまうコンビも出るほうが大会は盛り上がると思っていたのですが、1組しか残らなかったというのは、思っていた以上に各漫才師さんのレベルが拮抗しているんだなと、改めて感じました」と印象を語る。 石川氏も「たまたま入れ替わっただけだと思います」とした上で、「一生出られる大会でもあるので、“THE SECOND一座”じゃないですけど、皆さんに毎年出ていただいて、選考会から盛り上げていただき、未来に向かって持続可能な大会になっていけばいいなと思います」と期待を述べた。 ■「敗者復活枠」を設けない理由 『M-1グランプリ』が盛り上がる要素の一つとして「敗者復活」があるが、『THE SECOND』では前回に続いてこの枠を設けていない。その理由は、「グランプリファイナル」を8組のトーナメントとしたときに1組を減らすと、その前の「ノックアウトステージ」の勝ち残りが16組から14組、32組から28組へと削減されてしまうというシステム上の問題が大きいことに加え、「結成16年以上の漫才師」という大会ならではの特性もある。 「『M-1』と違って卒業がなく、毎年エントリーできるので、敗退したときに“今年はくじ運が悪かったけど、また来年勝負できる”という意味で、敗者復活枠は設けていないという考え方です」(日置氏) 「昔、(島田)紳助さんが“M-1は芸人を諦めさせる大会でもある”とおっしゃっていましたが、『THE SECOND』は、より長く漫才を続けてもらうための大会だと思っています」という日置氏。一方で今回、東京ダイナマイトが「ノックアウトステージ32→16」で敗退したその日に、漫才師としての活動休止を発表したことを受け、「いろんな人の人生がある中で、ここで一旦区切りをつけると思うこともあるんだと、新たに気付かされました。おふたりがその区切りの場に『THE SECOND』を選んでくださったことで、より身が引き締まる思いがしています」と受け止めたという。 タイマン形式でトーナメントを勝ち進んでいくだけに、対戦が終わると漫才師同士がノーサイドで互いを称え合う姿が印象的な『THE SECOND』。敗者の思いも背負って大舞台に臨むファイナリストたちが、今年はどんな漫才を見せてくれるのか。