『THE SECOND』は「より長く漫才を続けてもらうための大会」 2年目で裾野拡大、フェア環境一層追求
■「去年やったものの完璧版を作りましょう」 そうした中で、第2回大会の方針として日置氏が全スタッフへ最初に伝えたのは、「去年やったものの完璧版を作りましょう」ということ。 「去年は第1回大会というのもあって、もっと完成度が低くなることも想定していたのですが、結果として大幅にここを変えようみたいなものがなかったんです。なので、カメラワークとか、CGのこだわる部分とか、細かいところを直して100点にするというところに、力を注いできました」(日置氏) その中で前回と異なるのは、1組2,000円のエントリーフィーを廃止したこと。石川氏は「去年の打ち上げの時に、ファイナリストの8組から“2,000円払うのはどうなんだ”と言い込められて(笑)、最後の挨拶で“じゃあなくしましょう!”って宣言しちゃいました。たしかにベテランの方に2,000円払っていただいて出てもらうのも失礼ですし、その効果があったのか、今年は(芸歴52年の)ザ・ぼんちさんにも出ていただけたので、エントリーフィーをなくしたことで、裾野が広がったという面があったかもしれません」と捉えている。
■接戦減少も先攻勝率上昇「プラスになった」 採点方式は変わらず、客席の一般審査員100人による「とても面白かった:3点」「面白かった:2点」「面白くなかった:1点」を合計した300点満点。ただ前回は、ベスト8を決める「ノックアウトステージ」まで、1組の漫才を見終わるごとに採点入力が行われていたが、「グランプリファイナル」では2組を見終えてから採点入力する方式に変更した。 その理由について、日置氏は「ノックアウトステージで、先攻が負けることが多かったというのがあって、“後攻有利の大会”と言われたら勝者の人に申し訳ないと思って変えました」と明かす。それを踏まえ、今年は「ノックアウトステージ」から2組見終えた後の採点入力としたところ、「結果として去年より先攻の勝率が上がりました」と効果を実感した。 一方、比較審査の要素が強くなったことで、様子見で「2点」を入れる人が減少する傾向が見られ、接戦のカードが減った。「ノックアウトステージ32→16」での<ザ・ぼんち:285点● - ◯287点:ハンジロウ>の2点差が最小で、ほとんどが二桁以上の差がついた。 この結果に、日置氏は「もちろん制作側としては毎回接戦になるほうがうれしいですが、先攻も勝ちやすくなったという意味ではプラスになったと考えています」と話し、よりフェアな環境を追求・優先している。