レギュラーシーズンの本拠地最終戦で先発バッテリーを組んだ青柳（右）と坂本＝9月30日、甲子園球場

阪神は2年契約最終年の岡田彰布監督（66）の進退についてまだ明らかにしていないが、ライバル球団は続投が決まれば青柳晃洋投手（30）、坂本誠志郎捕手（30）のアラサーバッテリーに流出の可能性が高まるとみて、獲得調査を進めている。 【写真】戦力外通告を受けた阪神・岩田将貴。江草仁貴コーチへの挨拶で泣く 昨季の坂本は自己最多の76試合に先発し、日本一に貢献してゴールデングラブ賞も初受賞。ところが今季は岡田監督からリード面への苦言が増え、8月には屈辱の2軍降格を味わうなど、2試合を残して先発は61試合にとどまる。 パ・リーグ球団の編成担当者は「投手とうまくコミュニケーションを取りながら配球できるのは坂本の強み。明大時代からチームのまとめ役を担い、将来は指導者としても活躍できる人材」と高く評価。国内フリーエージェント（FA）権は取得済みだけに、「岡田政権が続くなら、併用される梅野よりも出場機会は減ると思う。手を挙げたら本格的に獲得を検討する球団は複数あると思う」と市場に出てくることを心待ちにしている。 2021年から2年連続で最多勝と最高勝率の2冠に輝き、矢野燿大前監督時代は先発投手陣の柱だった青柳も、今季は開幕投手を任されながら5度の2軍落ちを経験。11試合に先発して2勝3敗、防御率3・88と精彩を欠き、1年間ローテーションを守れれば取得できた国内FA権の条件を満たせなかった。 前出担当者は「才木、村上ら次世代の投手が台頭するなかで、本人もこのままジリ貧になるのは不本意だろう。トレード先で働き場所を与えたら、再び輝きを取り戻せる。大型トレードを何とかまとめたい」と腕まくり。岡田監督の続投発表を今や遅しと待ちわびている。　（山戸英州）