<速報>ヤ軍開幕のマー君は4回5失点で黒星スタート。突きつけられた課題とは?
ヤンキースの田中将大投手(26)が7日(現地時間6日)、本拠地ヤンキースタジアムでのブルージェイズ戦との開幕戦に先発したが、一発を含む5安打5失点で4回降板。禁止薬物の使用で1年間の出場停止のペナルティを受けていたAロッドがスタメン復帰したが、打線の反撃はなく、1-6のスコアでゲームセットとなり、マー君は、痛い黒星スタートとなった。6奪三振は奪ったが、右肘故障の予防のために今季から軸のボールとして使い始めるツーシームの制球ミスが敗因となった。スプリット重用の投球スタイルからの脱却は簡単にいきそうにない。
ニューヨーク。快晴。気温は13度のコンディション。 ジョー・トーレ・前監督の始球式で始まった2015年ヤンキースのオープニングデー。野茂英雄、松坂大輔、黒田博樹以来、日本人メジャーリーガーとして4人目の開幕投手に選ばれた田中将大は、キリっとした表情で栄誉ある緊張のマウンドに上がった。 「初めての経験なので、どんな気持ちになるかわからない。そういうもの(特別な感情)は必ずあると思う」 前日会見でこう語っていたマー君は、どんな心境を覚えたのか。 ブルージェイズの1番打者、レイエスへの2015年度の第1球はスライダーだった。宝刀、スプリットを連発して3球三振。マーティンにはフルカウントからスライダーを打たせる。三ゴロ。3番のボディースタには、カウント2-2から外角低めにスライダーをコントロールすると、本塁打王タイトル2度のスラッガーのバットは空を切った。 右肘への負担を減らすために今季から取り組みはじめたツーシームを積極的に使ってきた。2回、4番のエンカルナシオンに対しては、ボールワンから143、144キロ表示のツーシームで追い込んで、最後は131キロのスライダーでスイングアウト。二死となってナバーロに対しては、フルカウントから抜いたボールでボテボテのサードへの内野ゴロに打ち取ったが、大胆に三遊間を締めるシフトを敷いていたサードのヘッドリーが、それを素手で取りにいってファンブル(記録はヒット)。初めてランナーを背負ったが、続くポンペイを冷静に144キロのツーシームでライトフライに打ち取った。 この回のストレートの最速は149キロをマークしたが、ストレート系のボールのほとんどが、143、144キロのツーシーム。特に左打者に対しては「フロントドア」と呼ばれるボールを積極的に使った。肘の故障経験とまだ開幕の段階であることもあって責任投球数を「90球」と定められた田中は、初回を14球、2回を16球にまとめた。6回を投げきるペースだった。