大河『鎌倉殿の13人』出演の柿澤勇人「なんで俺、やりたいって言っちゃったんだろう」と震え上がる役
役者人生を懸けて舞台『ハムレット』に挑む
――演出は吉田鋼太郎さんですね。 「すべてを委ねるしかないと思っています。鋼太郎さんはシェイクスピア作品にも『ハムレット』にも相当な数に出ているし、ハムレットを演じてもいる。おそらく厳しいことも言われるでしょう。 だからそれに負けない心と、健康に気を付けないと。これは命をかけてやらないとだめな役だと思っています」 ――命をかけてですか。 「稽古が2か月くらいあって、本番も30回ほど。それに耐えられる精神力が必要だと思います」 ――もともと柿澤さんはタフなほうですか? 「いや、本当はめちゃくちゃ打たれ弱いですし、ずっと悩むタイプなんです。ネガティブにずっと同じことを考えていますね。じゃあ、なぜそれでも、なんのために逃げずにやるんだと聞かれるんですけど、それは分からないんですよね……。ただここまでずっと無我夢中に、16~7年、突っ走って来て。 まだまだだとは思いますが、『ハムレット』は役者人生においても、僕自身の人生においても、何かが大きく変わる作品だと、今から確信しています」 ――大変な覚悟が伝わってきます。 「この先に何をしたいとか、こうありたいとか、いまは一切ないです。とりあえず、これをやって、終わって、生きているかどうか。芝居として全く太刀打ちできないのであれば、役者は辞める覚悟。手も足も出ない、ダメだとなったら、きっぱり辞めようと思っています」 「辞める覚悟」とまで口にした柿澤さん。この舞台はもちろん、ハムレットを経た柿澤さんを、舞台、映像で観ていきたい。 柿澤勇人(かきざわ・はやと) 1987年10月12日生まれ。神奈川県出身。 2007年に劇団四季『ジーザス・クライスト=スーパースター』でデビュー。 劇団四季退団後は、映像作品にも活躍の場を広げる。主な出演作に舞台『海辺のカフカ』『デスノート THE MUSICAL』『メリー・ポピンズ』『ジキル&ハイド』『スクールオブロック』『オデッサ』、映画『鳩の撃退法』、ドラマ『真犯人フラグ』『不適切にもほどがある!』など。2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源実朝を好演したのも記憶に新しい。第31回読売演劇大賞にて優秀男優賞を受賞。5月に上演される彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』でタイトルロールのハムレットを演じる。 THE CHANGE編集部
THE CHANGE編集部