稽古の見学や差し入れができない...力士移籍後に宮城野部屋後援会へ課されていた「厳しすぎる制約」
元幕内力士・北青鵬(22)の暴行問題によって、宮城野親方(元横綱の白鵬・39)は日本相撲協会から2階級降格と減俸処分を下され、宮城野部屋に所属していた全力士が伊勢ヶ濱部屋に移籍して半年が過ぎた。ただ、苦境に立たされているのは宮城野親方と力士だけではないという。宮城野部屋の後援会関係者が打ち明ける。 【後援会も困惑...】追放状態の宮城野親方から後援会に送られていた”活動自粛要請”のハガキ 「力士たちの伊勢ヶ濱部屋への移籍が完了した4月ごろ、宮城野親方から後援会の人々に一通のハガキが送られてきました。そこには、伊勢ヶ濱部屋への差し入れ、稽古の見学、各種パーティーへの参加を控えてほしい旨が書かれていました。実際、暴行問題が発覚してから最初の場所となった大阪場所では、宮城野の後援会は力士への差し入れができなかった。4月の移籍以降もそれが継続されています」 宮城野部屋の元力士たちも表情を曇らせる。 「宮城野部屋にいた時は、勝ち越すと複数の後援会からご祝儀がもらえましたが、伊勢ヶ濱部屋に移ってからは激減。力士にとって後援会からのご祝儀や小遣いは主な収入源のひとつ。移籍後、経済的に苦しくなっています。それを理由に伊勢ヶ濱部屋を辞めた力士もいます」 なぜ、宮城野部屋の後援会は支援を禁じられたのか。別の後援会関係者は「私たちも理由は聞かされていない」と嘆いた。 ◆宮城野部屋復活の可能性 「宮城野親方の支援者に『トヨタ自動車』の豊田章男会長(68)がいるのは有名な話。他にも錚々たる経営者が名を連ねているので、宮城野部屋の差し入れは非常に豪勢なことで有名でした。ただその分、他の相撲部屋からの嫉妬が酷かったとも聞きます。嫉妬が原因で相撲協会が後援会の活動を休止させたのでは、なんて話まで角界で回っているそうです。ただ、活動休止状態となっても宮城野部屋の後援会を離れる人は思ったほどいませんでした。大半が今後も引き続き支援を続けると聞いてます」 宮城野部屋の後援会に活動を休止するよう指示したのは相撲協会なのか。フライデーは相撲協会に質問状を送り、事実確認をしたが期限までに回答はなかった。 今年4月に宮城野部屋が閉鎖されて以降、角界では“宮城野部屋の今後”が度々話題にあがっているというが、当事者たちは先行きの見えない日々を過ごしている。 「移籍に伴って一気に力士の人数が増え、伊勢ヶ濱親方の負担が大きく増えた。負担を軽減するために、来年1月から宮城野部屋が復活するという話があります。来年7月、伊勢ヶ濱親方が定年を迎えます。それに先駆けて来年5月に宮城野部屋が復活する、という噂もありました。ただ、いずれも相撲協会が公式に発表しない限り、信じることはできません。後援会の活動休止は、宮城野部屋の再スタートを阻む障壁になっていると感じます」(後援会関係者) 大横綱だった親方が追放され、後援会の支援も止まった。移籍した宮城野部屋の力士たちはいつまで、失意のまま相撲を取り続ければいいのだろうか。 取材・写真:加藤慶
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