昭和生まれ1000人に聞いた!「イタ飯」「写メ」「ジーパン」は認定、ついつい使っちゃう死語
「昭和100年」を目前に、今や空前の昭和レトロブーム! リバイバルファッションに、カラオケでは聖子・明菜・ジュリーを歌う若者が急増中……。でも昔の言葉だけは、「ナウい」や「イカす」と言われるどころか「ウッソー!」「今どきマジ!?」さえも古いらしく……。そんな、若者たちに“死語認定”されている言葉たちを集めてみました。「イタ飯屋」で撮影した記念写真を「写メ」したあなた! それも「死語」なんですってよ……。 【写真】1歳の誕生日を迎えた沙也加さんを抱く松田聖子(左)と神田正輝
『死んだ』と認定されたもの
「言葉は生き物」とはよく言ったものだが、特に若者言葉はサイクルが速く、生まれた翌年には“死語”になっていることも珍しくない。歴史作家で国士舘大学大学院客員教授の八幡和郎さんは、生まれては消える死語についてこう考察する。 「レコードや機関車など、モノが人前から消えたから使われなくなった言葉もあれば、電子計算機→コンピューター、交響曲→シンフォニーのように、漢語訳から英語のオリジナルに移ったものもあります。しかし、最近『死語』という言葉が表しているものは、時代の空気を楽しむために使われたものが、感覚として古くなったために『死んだ』と認定されたものですね」(八幡さん) そこで週刊女性は、全国の40歳~75歳の男女1000人にアンケートを行い「昭和生まれがつい使ってしまう死語」を調査した。 ちなみに今回の「死語」は、消滅した言語ではなく、時代を経て古くさくなってしまったといわれている言葉や流行語を「死語」と定義している。多くの人がつい口走っている死語とは? 死語と時代は深く関わっている。まずは、50代以上の男女ならば一度は耳にしたであろう、昭和の死語を紹介しよう。 昭和後期から平成初期にかけて、日本中が浮足立っていたバブル景気。当時、浮かれ気分の人々のあいだでブームになったのが「イタ飯」ことイタリア料理だ。 バブル世代からは 「バブルのころはイタ飯ばかり食べていた。今はイタリアンと呼ぶのはわかっているが、ついイタ飯と言ってしまう」(大阪府・55歳・女性) 「自分の中で完全に『イタ飯』で定着している」(東京都・53歳・男性) などの声も。死語だと知りつつ、ノスタルジーや愛着を感じてイタ飯を使用しているようだ。 「'80年代、イタリア料理は、フレンチよりもカジュアルで、日本の洋食店よりもハイカラな西洋料理として人気を博しました。その気分が伝わるような言葉ですよね。なお、イタリア料理がまだ一般的でなかったころ、ピザはなんと“イタリア風のお好み焼き”とも称されていたそうです」(八幡さん) ファッションアイテムの中にも、いつの間にか使われなくなった呼び名が多数存在する。そのひとつが「ジーパン」だ。 「ジーンズやデニムという言葉がとっさに出てこない」(神奈川県・49歳・女性) 「ジーンズなんて気取った言い方はしたくない」(東京都・66歳・男性) 「『太陽にほえろ!』のジーパン刑事に憧れていたから」(福井県・50歳・男性) など、ジーパン派の熱い声が多く寄せられた。 「ジーパンが死語になったのは、デニム生地がいろいろなアイテムに使われるようになったからでしょうね。現代ではデニムとジーンズが混在していますが、実はルーツが異なります。まず、デニムはフランスのニームという町で作られた織物を意味する『セルジュ・ドゥ・ニーム』が語源になったといわれているんです」(八幡さん) 一方、ジーンズのルーツはイタリアのジェノバ。ジェノバから新大陸・アメリカに渡ってきた綿織物が「ジェノイーズ」と呼ばれ、言葉が変化していき「ジーンズ」になったとか(※諸説あり)。