「タコ墨」は「イカ墨」の数倍高いってホント!?「タコ墨を使った料理」がほとんど出回らない理由とは?
「イカ墨パスタなどイカ墨を使った料理はあるけど、タコ墨を使った料理は全然見ないのはなぜ?」 このような疑問を感じたことがあるかもしれません。イカもタコも墨をはくことが知られていますが、イカ墨と比べるとタコ墨の話はあまり聞かないでしょう。 じつはイカ墨とタコ墨には価格も含めていくつかの違いがあり、その違いがタコ墨の存在感に影響を与えている可能性があります。本記事ではイカ墨とタコ墨の違いを分かりやすく解説します。
タコ墨はイカ墨よりも高価!
タコ墨についてあまり聞かない理由の一つは、タコ自体の価格と関係するといえるかもしれません。 タコはイカよりも価格が高いです。表1では、2022年における全国の主要都市でのタコとイカの価格平均をまとめました(100グラムあたりの価格)。
※e-Stat政府統計の総合窓口「小売物価統計調査 小売物価統計調査(動向編) 2022年 表番号1【02】」を基に筆者作成 タコはイカよりも2倍以上高いことが分かります。上記はタコとイカの個体の価格ですが、タコ墨とイカ墨の価格についても個体の価格が影響する可能性があります。
タコ墨とイカ墨の違い
タコ墨とイカ墨には価格だけでなく、農林水産省では以下のような違いも紹介しています。 <タコ墨> ・イカ墨と比べてねばねばしていない ・吐いた墨は海中ですぐに広がるので、煙幕のように敵の視界を遮る効果がある <イカ墨> ・ねばねばしている ・吐いた墨が海中でイカの大きさぐらいのかたまりになり、しばらく散らないため、イカのダミーとして敵の目をそらす効果がある タコ墨はイカ墨よりも墨袋を取りだす手間がかかり、量は少なめです。さらにねばねばしておらず、調理すると水っぽくなりやすいようです。そのため料理の食材に向いているとはいえないでしょう。 ◆タコ墨を使用した料理はあるのか? タコ墨は入手が難しいため、タコ墨を使用した料理を見つけるのは簡単ではないでしょう。しかし、少ないながらもタコ墨料理を提供している飲食店も存在します。 実際に提供されているメニューとしては「タコ墨そば」や「タコ墨のスパゲティ」などがあるようです。 近くにタコ墨を扱う飲食店がない場合は、タコを入手して手作りをする方法もあります。レシピサイトで検索すれば、タコ墨を使ったアレンジ料理の例が見つかるでしょう。