連覇を目指す琉球ゴールデンキングスの切り札、帰化選手アレックス・カークの確信「これから、より強力になっていく」
「長い時間一緒にプレーしたメンバーたちは、僕にとって生涯にわたる兄弟です」
カークにとってA東京は、2017-18シーズンから昨シーズンまで6年間にわたって在籍した愛着ある古巣だ。だからこそ、「オフに所属チームを変えたことで、帰化申請のプロセスの時間がよりかかりました。それでも先週に申請が許可されたことで東京のファンの前でプレーできたことはハッピーです」と言う。そして、次のような思いを持ってコートに立っていた。 「僕にとってのオールドホームは(今節の会場である代々木第一体育館ではなく)立飛アリーナですが、それでもたくさんの馴染みの顔を見ることができました。リーグ屈指の2チームによる、みんなが見たい白熱した試合を見せることができました。そして1つ勝利をつかむことができたのは大きかったです」 また、カークは「いろいろな人のおかげで帰化ができました。キングスだけでなく、アルバルクの皆さんのサポートも大きいですし、感謝したいです」と語り、次のような元チームメートとのやりとりを明かしてくれた。 「いろいろな表現を教えてもらいました。小島(元基)選手にはよく『子供っぽい』と言っていましたし、平岩(玄)選手には『ニコニコしないでください』と冗談を言ったりしていました(笑)」 もちろん今のカークは、琉球のために全身全霊をかけてプレーし、チームや琉球ファンへの高い忠誠心をコート内外で示している。だが、A東京で過ごした長い年月で育まれた周りの人々との絆が、彼にとって大事な宝物であることに変わりはない。「Bリーグ連覇、アジアチャンピオンを達成するなど、長い時間一緒にプレーしたメンバーたちは、僕にとって生涯にわたる兄弟です。彼らは常に僕の人生の一部です」 こう語るカークは、次のように感謝を強調する。「過去、僕たちが成し遂げたことが思い出されました。アルバルクを去りたいと思ったことはなかったですが、今は次のステップに進むことができて幸せです。今でも東京には仲の良い人々がたくさんいます。4年、5年と住んでいた場所のご近所さん、ずっと髪を切ってくれていた理容師さんなど、この週末はお世話になった人が見に来てくれました。そして多くのファンの人が愛を示してくれたのはうれしかったです」 長らく自分をサポートしてくれた人々に健在ぶりを示したカークだが、これからは連覇を目指す琉球の切り札としての活躍が求められる。自身を含めたビッグラインナップについても「もっと練習をして連携を深める必要があります。例えば、後半は相手のゾーンディフェンスに苦しみましたし、いろいろと改善しないといけないところはあります」と、厳しい評価を下している。 ただ、同時にこれからの伸び代には大きな自信を見せる。「僕のコンディションはどんどん良くなっています。これから、チームはより強力になっていくだけですし、(ビッグラインナップで)一緒にプレーするのが楽しみです」。 帰化選手のカークがどこまでフィットできるかは、今シーズンの琉球の運命を大きく左右する要素となるだろう。それを感じさせ、多くのファンを明るい気持ちにさせた、今節のパフォーマンスだった。