「夫はお金の話が大嫌い」だったが…“財布は別”の共働き夫婦がお金のことを話し合えた「4つのコツ」
40歳の夫、4歳と1歳の子どもがいる4人家族のAさん(30歳)。自身の年収は300万円、夫の年収は500万円で、財布は完全に夫婦別。「夫のお金の使い方にモヤモヤしている」ものの、お金の話をするといつも喧嘩になるので、つい話し合いを避けてしまっているのは〈「お金の話」をするといつも夫婦ゲンカに…世帯年収800万円・共働き夫婦の「決定的な問題点」〉でお伝えした。 【マンガ】3500万の住宅ローン組んだ「年収700万夫婦」、「地獄を見た」ワケ そんなAさんから相談を受けたファイナンシャルプランナーの磯山裕樹氏が、夫婦でお金の話をすることの大切さと、夫婦仲がさらに深まる「話し合いのコツ」をアドバイスする。
「理想的な生活」を実現するためにも……
夫婦は○○家という会社の共同経営者です。共同経営者が会社のお金のことを話し合わず、それぞれ使いたいように使っていたら、会社はどうなるでしょうか? 会社にお金が残らない、最悪の場合、倒産してしまうことは、容易に想像ができるかと思います。 一方、会社の方向性を決め、どこにお金を使うか、どのようにお金を管理するかを決めている会社は、前者と比べるとうまくいきそうな気がしませんか? 夫婦も同じです。家族にとってより理想的な生活を実現するためには、家族の方向性を決め、どこにお金を使うか、どのようにお金を管理するか、夫婦で取り組むことが大切です。 これまで、お金の話がしづらかった夫婦が、実践して実際に効果があった「夫婦で話し合うコツ」をAさんにお伝えしました。
具体的に伝えないと相手には伝わらない
---------- 夫婦で話し合うコツ(1) 自分から具体的に伝える ---------- 「教育費が足りないからもっと貯蓄したい」「老後資金が不安だから資産運用したい」「お金のことが不安だから一緒に考えてほしい」と言われても、相手はピンとこないですよね。 具体的に伝えないと相手には伝わりません。 Aさんがお金を貯めたい理由は、「子どもにやりたいことをさせてあげたいので、余裕を持ってお金を用意しておきたい」とのことでした。 私はAさん自身の資産や収支状況を整理するお手伝いをして、Aさんに教育費の貯め方をお伝えしました。 Aさんはご自身の収支や資産状況を把握し、具体的に教育費の貯め方も考えて、夫婦で話をする準備をしました。 ---------- 夫婦で話し合うコツ(2) 話す環境と時間を整える ---------- 私:「本気で話をしようと思っているなら片手間はだめです。前もって『家計について話がしたいから30分の時間をとってほしい。いつがいいかな? 』と伝えて、相談する時間を決めましょう」 Aさん:「主人はお金のことを話すのが本当に嫌いなので、15分だけ聞いてほしいと伝えることにします」 日常の子育てや家事をしている時に急に話しかけられても、集中して話はできないと思います。Aさんは、嫌なこと(お金のこと)の話をする時間をできるだけ少なくすることで、まず始めることを優先しました。 また、集中して話ができる環境を整えることも大切です。 朝や夜など子どもが寝ている時間帯や、有給休暇を活用して話し合っている夫婦もいます。